【展覧会概要】
300年にわたって世界中の読者の心をざざめかせてきた『ガリヴァー旅行記』。ユーモラスかつ強烈にシニカルなガリヴァーの、変幻自在な視点、あらゆるものを多義的に、あらゆる角度から見てみようとする好奇心、そこから出ずる想像と創造の大きな広がり—『ガリヴァー旅行記』の旅の面白さはこうした点にあります。鎖国中の日本にも来てしまう主人公の奇想天外な冒険と、そこに秘められた作者スウィフトのメッセージを、近代を歩み始めたばかりの人間社会の相貌とともにご覧ください。
【関連プログラム】
講演会「『ガリヴァー旅行記』300年――冒険・諷刺・好奇心・遊び・日本」(仮)
日 時|7月10日(金)18:30 ~
場 所|慶應義塾大学 三田キャンパス 北館ホール
登壇者|原田範行(文学部 教授)ほか(詳細は決まり次第、本ウェブサイトにてご案内いたします)
どなたでもご参加いただけます(事前申し込み制)。6月10日(水)正午からPeatixにてお申し込み受付を開始します。
※その他、展覧会に関連したプログラムの開催を予定しています。詳細は、展覧会ウェブサイトおよびSNS等で順次情報を公開いたします。
【展示構成(予定)】
ガリヴァー、登場!
『ガリヴァー旅行記』は、アイルランド出身の作家ジョナサン・スウィフトが1726年にロンドンで出版しました。刊行当初から好評を博し、各国語版に翻訳され、「大人から子どもまで」多くの読者に熱心に読まれていたと記録されています。でも、『ガリヴァー旅行記』は、決して絵本や子ども向けの本ではありませんでした。かなり重厚な当時の版本を見つつ、でもそういう重厚な本のあちこちに埋め込まれた「笑い」を感じてみてください。
諷刺と物語と
『ガリヴァー旅行記』は、よく諷刺作品だと言われます。でも、諷刺って何でしょうか?単なる批判や皮肉とは違います。そういう批判や皮肉を偉そうに言っている自分自身こそが愚かに見えてしまう―これが、ガリヴァーの諷刺です。そのような眼差しで、人間社会を、政治を、海外の国々を、科学の世界を、そして人間の身体をじっと見つめ、よいところも目をそむけたくなるところもぜんぶまとめて冒険譚の形に仕上げた『ガリヴァー旅行記』なのです。
視点を変える、遊んでみる
例えば縮尺を変えてみる―私たちがスマートフォンで地図や写真を見るお馴染みの動作ですが、もし、同じことが現実に起きたとしたら?驚天動地どころではありませんね。ガリヴァーは、そのような視点の変換を、あまり深刻になることなく平然とやってのけます。これがなんと言っても彼の好奇心の源泉ですし、近代初期のイギリスには、そうした好奇心が満ち満ちていました。
『ガリヴァー旅行記』と日本
ガリヴァーが日本へやって来るという話は、いわば「本場」であるはずの日本であまり知られていません。ところがこの日本渡航記の背後には、ウィリアム・アダムズやエンゲルベルト・ケンペルなどをはじめとする日英交流史上の重要人物たちがもたらした事実がありました。さらには、『ガリヴァー旅行記』成立の重要な鍵を握っている可能性も。慶應義塾の有する日本の貴重な古典籍を助け手に『ガリヴァー旅行記』に秘められた東西交流の実相を探ってみましょう。
主催: 慶應義塾ミュージアム・コモンズ
協力: 慶應義塾大学三田メディアセンター、慶應義塾大学日吉メディアセンター
(2026年4月3日現在)