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レポート
国産顕微鏡100年展 ~世界一に向けた国産顕微鏡のあゆみ~
国立科学博物館 | 東京都
ドイツに追いついた国産顕微鏡
約420年前に誕生した顕微鏡。日本では江戸時代以降、長らく輸入顕微鏡が使われてきましたが、1914(大正3)年、現代につながる国産顕微鏡「エム・カテラ」が誕生しました。今年度はちょうど100周年のメモリアルイヤー、記念展が国立科学博物館で開催中です。
江戸時代の「国産木製複式顕微鏡」
(右)「田中式顕微鏡」
100年前の「エム・カテラ」と、最新式の「BX63」(オリンパス)
左から、北里柴三郎博士の顕微鏡と、野口英世博士の顕微鏡
昭和天皇に献上された「高千穂製作所(現オリンパス)精華号GE」
代表的な顕微鏡の数々
「レーザー走査顕微鏡 FV10i」
顕微鏡を覗けるコーナーも
ちょうど100年前に誕生したエム・カテラ。変わった名前は、開発に関わった松本福松(M)、加藤嘉吉(KA)、寺田新太郎(TERA)から命名されたものです。国内産業振興のために開かれた東京大正博覧会に出品され、工業的にも成功。現代につながる国産顕微鏡の歴史は、ここに始まりました。

日本館1階中央ホールには、エム・カテラをモデルにしたジャイアント顕微鏡も登場。その前には、本物のエム・カテラも展示されています。


エム・カテラと、ジャイアント顕微鏡

会場は、まず日本館1階常設展の顕微鏡コーナーから。日本には江戸時代半ばに顕微鏡が伝わり、観察した雪の結晶が着物や工芸の意匠として流行するなど、江戸時代の人々にとっても顕微鏡で見る世界は身近な存在でした。

天明年間(1781-89年)には国産顕微鏡も作られていますが、もちろん当時の国産顕微鏡は工業製品と呼べるものではありません。


プロローグ「顕微鏡事始め」

明治になると性能が良い顕微鏡が続々と輸入されるようになり、さらに顕微鏡は広まります。密接な関わりがあったのは、当時の日本の主力産業であった養蚕業でした。

顕微鏡は蚕卵紙(蚕の卵を産み付けた紙)の良否を判断したり、蚕の病気を検査するために利用。その検査方法は出版物で紹介されたため、顕微鏡は日本各地に普及していきます。


携帯用の筒型顕微鏡も、養蚕などで用いられました

エム・カテラの誕生以後は、その技術を継承した顕微鏡製造会社が次々に誕生。戦後はさらに多くの会社が顕微鏡を手掛け、現在では長い間世界をリードしてきたドイツ製顕微鏡と競う水準まで至りました。

会場には戦前に昭和天皇に献上された顕微鏡から現代の顕微鏡までずらり。科博の展示らしく、顕微鏡を覗けるコーナーも用意されています。


代表的な機種が並びます

日本人の精密光学機器製造に関する適正と持ち前の勤勉さから、100年足らずで世界トップレベルになった国産顕微鏡。今後も、さらに限界を超えるような光学顕微鏡の開発が期待されます。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2015年3月2日 ]

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コロナ・ブックス編集部 (編集)

平凡社
¥ 1,680


■国産顕微鏡100年展 に関するツイート


 
会場
会期
2015年3月3日(火)~2015年4月19日(日)
会期終了
開館時間
9:00~17:00(入館は16:30まで)
※当面の間、常設展示の夜間開館(金曜日・土曜日 17:00~20:00)は休止いたします。
休館日
月曜日休館 ただし3月30日は開館
住所
東京都台東区上野公園7-20
電話 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
03-5777-8600 (ハローダイヤル)
公式サイト http://www.kahaku.go.jp/event/2015/02microscope/
料金
一般・大学生:620円 (20名以上の団体は310円)
高校生以下・65歳以上:無料
展覧会詳細 国産顕微鏡100年展 ~世界一に向けた国産顕微鏡のあゆみ~ 詳細情報
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