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レポート
国立ロシア美術館所蔵 ロシア絵画の至宝展
東京富士美術館 | 東京都
ロシアから愛・夢・希望を込めて
ニコライ2世によって1895年に創設された、国立ロシア美術館。ロシア国内で最も古い美術館から、「愛」「夢」「希望」の3つのテーマに沿った絵画40点が、東京富士美術館にやってきました。風景や庶民の生活に焦点を当て、ロシア美術の精神性に迫ります。
(左から)ウラジーミル・ボロヴィコフスキー《アレクセイ・ロバノフ=ロストフスキー公とその妻アレクサンドラ王妃》1814年 / コンスタンチン・マコフスキー《サンクトペテルブルクの中庭》1850年代後半
ドミトリー・オシボフ《セミークの日の二人の少女》1860 - 1870年代
(左から)ワシーリー・マクシモフ《将来を夢見て》1868年 / ニコライ・ビモネンコ《キリスト降誕祭の占い》1888年
(左から)ニコライ・コシェレフ《音楽のレッスン》 / ヴィクトル・ボブロフ《夜の光景》
グリゴリー・ミャソエードフ《魔法円を鋤で掘る》1876年
(左から)イワン・シーシキン《嵐の前》1884年 / イワン・シーシキン《白樺の森の小川》1883年
(左から)アブラム・アルヒーボフ《ヴォルガ川にて》1889年 / ミハエル・ネステロフ《瞑想》1900年
イリア・レーピン《裸足のレフ・トルストイ》1901年
18世紀初頭のロシアでは、ピョートル大帝のもと、政治だけでなく文化や芸術においても、西欧化が推し進められていました。その後、女帝エカテリーナ2世の時代には、西欧化の流れは更に顕著に。ロシア美術はヨーロッパで流行した新古典主義やロマン主義といった美術様式を取り入れ、独自の発展を続けてきました。

特有の雄大な自然、神話や英雄の理想主義的な歴史画をテーマにする一方、庶民を描いたリアリズム絵画も盛んになっていったロシア。本展では、自然や風俗を描いた作品、40点が紹介されます。

メインビジュアルにも使用されている《第九の怒涛》。海洋画家・イワン・アイヴァゾフスキーの作品で、最も良く知られています。

絵の主題は「9番目に来る波が最も破壊的」という言い伝えから。手前の人物からは、自然に抗う人間の強い生命力も感じます。

縦約2メートル、横約3メートルの超大作。並んで展示されている《大洪水》とともに見ると、その迫力に圧倒され、思わず立ちすくんでしまいます。ぜひ、会場で体感してみてください。



《魔法円を鋤で掘る》は、農村の風俗画の巨匠、グリゴリー・ミャソエードフの作品。

中央の炎を囲む人々の右側には、未婚の少女。村の女たちに連れられ、鋤を引いて歩います。「家畜の死神」が村へやってこないように、スラブ民族に古くから伝わる儀式です。

会場の最後を飾る幻想的な作品は、イリア・レーピンによる《サトコ》。ロシアの口承叙事詩「ブィリーナ」から、水中王国の商人・サトコ(男性)を描きました。

さまざまな国の美女に魅了されながらも、サトコは自分の花嫁にロシア人女性・チェルナヴァを選びます。画面右の黒い服の男性がサトコ、左上に薄く描かれているのがチェルナヴァ。運命に導かれるように、熱く視線を交わしています。

仮にサンクトペテルブルクを訪れても、どうしても優先されるのはエルミタージュ美術館のほう。なかなかロシア美術館までは足を伸ばせないと思います。40点がまとまって来日する貴重な機会、お見逃しなく。

[ 取材・撮影・文:静居絵里菜 / 2018年10月5日 ]

美術展ぴあ2018秋冬(ぴあMOOK)美術展ぴあ2018秋冬(ぴあMOOK)

ぴあ(編)

ぴあ
¥ 950

 
会場
会期
2018年10月7日(日)~12月24日(月)
会期終了
開館時間
10:00~17:00(受付は30分前まで)
休館日
月曜日(祝日の場合は開館。翌日火曜日が振替休館)
住所
東京都八王子市谷野町492-1
電話 042-691-4511
公式サイト http://www.fujibi.or.jp/
料金
大人 1300(1000)円/大高生 800(700)円/中小生 400(300)円/未就学児無料

※新館常設展示室もご覧になれます
※土曜日は中小生無料
※( )内は各種割引料金(20名以上の団体・65歳以上の方・当館メルマガ登録者ほか)
※障がい児者、付添者1名は半額(要証明)
※誕生日当日にご来館された方はご本人のみ無料(証明書をご提示下さい。休館日の場合は適用できません)
展覧会詳細 国立ロシア美術館所蔵 ロシア絵画の至宝展 詳細情報
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