1930年に日本初の西洋美術館として誕生した大原美術館の礎は、洋画家の児島虎次郎がヨーロッパで買い付けた西洋絵画と彫刻からなり、それは、「日本の人々に本物を見せたい」という夢を共有した倉敷紡績 大原孫三郎社長の資金的援助により実現しました。
2025年春には児島虎次郎記念館が開館し、現在、創立100周年に向けた改修工事による休館に合わせて、同館の名品が初めて岡山を離れ、大阪の中之島香雪美術館に集結しています。

中之島香雪美術館 エントランス
古代ギリシャ・ローマ神殿風の展示室入口は大原美術館の外観を彷彿させ、この特別展は、両館が舞台であると示しているようです。

右手前:児島虎次郎《和服を着たベルギーの少女》1911年、右奥:ジョルジュ・デヴァリエール《ミュージック・ホール》1903年、左手前:エミール・クラウス《冬の果樹園》1911年 全て大原美術館
美術の教科書、画集、それともテレビで見たのでしょうか、お馴染みの名作が目の前に並んでいます。

右:ポール・ゴーガン《かぐわしき大地》1892年、左:カミーユ・ピサロ《りんご採り》1886年 大原美術館

右:フェルディナン・ホドラー《木を伐る人》1910年、左:アメデオ・モディリアーニ《ジャンヌ・エビュテルヌの肖像》1919年 大原美術館

左:エドヴァルト・ムンク《マドンナ》1895-1902年、右:モーリス・ドニ《波》1916年 大原美術館
ここで、大原美術館 三浦館長のお話。
画家でありコレクターの虎次郎について、高い審美眼は知られているものの、画家としての腕前は、岡山県外ではあまり知られていない。ゆえに、本展を通じて虎次郎の作品の素晴らしさが、大阪・中之島から全国に広まる第一歩になってほしい。
虎次郎は、少年の頃から画才を発揮し、東京美術学校西洋画科選科を飛び級で卒業、渡欧先ベルギーのゲント王立美術学校を首席で卒業した将来を嘱望された洋画家でした。 会場には、明るい色彩の印象派のような虎次郎の作品が並んでいます。

左:児島虎次郎《大阪の川》1916年頃 高梁市成羽美術館、右:児島虎次郎《道頓堀》1916年頃 高梁市成羽美術館
シダネルを敬愛していた虎次郎。モチーフの似ている二人の作品、シダネルは点描表現。

左:児島虎次郎《卓上の花》1910年 高梁市成羽美術館、右:アンリ・シダネル《夕暮の小卓》1921年 大原美術館

「展示室風景」第Ⅲ章「絵を買ってよし」―フランス
さらに、エル・グレコ、モネ、マティス、セザンヌ、シニャック、ドガ、ピカソ等々、巨匠たちの作品が出展されていますので、大原美術館が所蔵する「名画の旅」へ是非お出かけください。
[取材・撮影・文:hacoiri / 2025年12月28日]