1996年にバンダイから発売された携帯型デジタルペット「たまごっち」は、日本国内で爆発的な人気を博しました。その後も世代や時代に応じて進化を続け、30年にわたり親しまれてきました。
発売30周年を迎えた今年、誕生初期から最新モデルまでの機種や関連資料を通じて、たまごっちがどのように文化として定着してきたのかを検証する展覧会「大たまごっち展」が、六本木ミュージアムで開催されています。

六本木ミュージアム「大たまごっち展」会場入口
会場の冒頭には、大きなたまごっちが来場者をお出迎え。たまごっちの中に入り込んでいくようなユニークな構成です。
早速、入っていきましょう。

展覧会場入口
次に迎えてくれるのは「窓の部屋」です。ここでは、たまごっちたちが日常的に見ている景色を、歴代機種の“窓”を通して体験できます。来場者は、たまごっちの視点に立つことで、その世界観へと自然に引き込まれていきます。
時代ごとに変化する窓の風景からは、たまごっちを取り巻く外の世界の変遷もうかがえます。小さな画面の向こう側に広がる世界を、観察するように楽しめる空間です。

窓の部屋
「たまごっちの暮らし」のエリアでは、みみっち、まめっち、くちばっちが暮らす部屋を再現。家具の配置や色使いからは、それぞれのキャラクターの性格や好みが感じ取れます。
よく見ていくと、あのアイテムも。観察するほどに、たまごっちへの愛着が深まる展示です。

たまごっちの暮らし
お世話をすると成長していくのが、たまごっちの醍醐味。「成長体験」のコーナーには、巨大なたまごっちがあり、ボタンを押すと成長します。
現在確認されているたまごっちの種類は、なんと1,500以上にのぼります。

成長体験
「生存戦略室」では、たまごっちが生き続けるための仕組みに焦点を当てています。世界中のたまごっちと飼い主の関係をモニタリングするという設定です。
中央モニターでは、生存戦略の基本が分かりやすく解説されており、たまごっちがなぜ人の関心を必要とするのかも理解できます。

生存戰略室
展示後半の「おかえりなさい」では、たまごっちの開発背景や制作現場に目を向けます。30年の歴史を支えてきた試行錯誤や工夫が、資料を通して紹介されています。
節目の年を祝う作品も並び、たまごっちが多くの人に愛されてきたことを実感できます。

おかえりなさい
「みんなでそだてるたまごっち」には、たまごっちの実機がずらり。実際に育成に参加できる体験ゾーンです。会場で誕生したたまごっちは、来場者の世話によって成長していきます。
気になるたまごっちに手を差し伸べることで、育てる楽しさを共有できます。来場者同士の関わりも生まれる、参加型展示です。

みんなでそだてるたまごっち
最後に紹介されるのが「伝統工芸こらぼれーしょん」です。たまごっちと日本各地の伝統工芸が出会い、新たな表情を見せています。
長い時間をかけて受け継がれてきた技とポップなキャラクターが融合し、意外性と魅力に満ちた作品が並びます。じっくりと鑑賞したい展示です。

伝統工芸こらぼれーしょん
30年にわたり多くの人々の生活に寄り添ってきた、たまごっち。世代を超えて共有される体験の積み重ねが、たまごっちという存在の強さをあらためて伝えてくれます。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2026年1月6日 ]