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レポート
篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN
東京オペラシティ アートギャラリー | 東京都
時代と空気で反応した「写真力」
印刷メディアが主戦場だった篠山紀信さんが初めて挑む、美術館の大空間。「写真力」と「空間力」がガチンコで対決する注目の展覧会が、東京オペラシティ アートギャラリーではじまりました。
「GOD」のセクション。左から大原麗子、勝新太郎、きんさんぎんさん
「STAR」のセクション。左から吉永小百合、AKB48、市川新之助(現 海老蔵)
「STAR」のセクション。左上から時計回りに岸恵子、大江健三郎、小沢一郎、舟木一夫、松田聖子、森光子
「BODY」のセクション。左上の「20XX TOKYO」は話題になった
「BODY」のセクション。左から時計回りに宮沢りえ、カルメン・マキ、樋口可南子、高岡早紀、黒柳徹子
「ACCIDENTS」のセクション
ジョン・レノンとオノ・ヨーコの写真の前で。ジョン・レノンは撮影の2ヵ月後に射殺された
篠山紀信さん
半世紀に渡って時代の先頭で活躍している篠山紀信さん。美術館での個展は初めてというのは、少し意外にも思えます。

展覧会は「写真の神様が降りてきた時しか撮れない」(篠山さん)という「写真力」を持つ写真がテーマ。GOD/STAR/SPECTACLE/BODY/ACCIDENTSの5セクションによる構成です。

最初のセクションは、照明を落とした黒い壁面の「GOD」です。物故者の巨大プリントは「拝みたくなる」(篠山さん)ほどの迫力。本人もお気に入りだったという大原麗子さんの写真は、実際の遺影にも使われました。


「GOD」

有名人のポートレートが並ぶ「STAR」は、篠山さんの真骨頂。時代を彩ったスターを、その匂いと一緒に切り取ったような写真が並びます。

展覧会ビジュアルで多く使われている山口百恵は、元は雑誌「GORO」のグラビアとして撮影されたものです。70年代の象徴だった彼女は3.4×5.1メートルになって、壁一面で展示。その存在感は圧倒的です。


「STAR」

赤い壁面にヌードが並ぶセクションは「BODY」。篠山さんは活動の初期から造形的なヌード写真を手がけるなど、常にヌードと向き合って歩んできました。

日本のヌード表現を変えた「Water Fruit」の樋口可南子、芸能人写真集の最高部数を叩き出した「Santa Fe」の宮沢りえ…。時代の欲求を「写真力」で返した作品といえるかもしれません。


「BODY」

展覧会の最後は「ACCIDENTS」、東日本大震災の被災者を写した作品群です。

崩れた家の前で、散乱した墓地で、積み上げられた瓦礫が残る路上で。悲劇を強調するような動きは無く淡々とした流れですが、無名の人々の深い意志が滲んできます。


「ACCIDENTS」

「写真力」は写真単体だけでなく、時代や空気に反応して生まれてくるものといえます。そして、常に新しいことを面白がり、時代とともに写真を捉えてきた篠山さんだからこそ、見つけ出せる力なのかもしれません。

熊本市現代美術館から巡回してきた本展は、東京での会期は12月24日(月・休)まで。その後に広島・三次市の奥田元宋・小由女美術館(2013年3月1日~4月14日)、新潟県立万代島美術館(2013年12月14日~2014年3月2日)と巡回します。(取材:2012年10月2日)


記者発表での篠山紀信さん

THE PEOPLE by KISHIN

篠山紀信 (著)

パイインターナショナル
¥ 2,625

 
会場
会期
2012年10月3日(水)~12月24日(月・祝)
会期終了
開館時間
11:00~19:00、金曜・土曜日は~20:00まで(入館は閉館30分前まで)

※ただし、展示により変更の可能性があります
休館日
月曜日( 祝日の場合は翌火曜日)
住所
東京都新宿区西新宿3-20-2
電話 03-5353-0756
公式サイト http://www.operacity.jp/ag/exh145/
料金
入場料:一般 1,000円(800円)、大学・高校生 800円(600円)、
中学・小学生 600円(400円)
同時開催「収蔵品展042 やさしさの気配」「project N 50 榎木陽子」の入場料を含みます。
※( )内は15名以上の団体料金
※その他割引(半額):閉館1時間前以降の入場、65歳以上
※土・日および祝日は中学・小学生無料。
※障害者手帳をお持ちの方および付添1名は無料。
※Arts友の会会員は無料。(会員証をご呈示ください)
※割引の併用および払い戻しはできません。
※詳細はホームページをご覧ください。
展覧会詳細 「篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN」 詳細情報
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