秋田県秋田市にある秋田県立美術館の特別展としてキスリング展が開催中です。
キスリングはエコール・ド・パリを代表する画家の一人。
秋田県立美術館にゆかりのある藤田嗣治とも交友関係にあり、19歳でパリに出て以来、ピカソやアングルなど様々な画家の影響を受けながら独自の作風を築いた画家です。
キスリング回顧展は日本では12年ぶり、秋田では初開催。
国内外の美術館や個人蔵の作品62点を観ることが出来る貴重な機会です。
実は私「エコール・ド・パリは知ってるけどキスリングって誰?」という声をチラホラ聞きました。しかしそんな方にも今回是非観ていただきたい!キスリングファンにもビギナーにもおすすめの展覧会です。
展覧会ではキスリングの画業を、年代を追いながら並ぶ構成がとっても見やすく、ズラッと並ぶ素晴らしい作品はもっと観たいという欲を掻き立てられ、飽きることなく最後まで順路を進んでしまいました。
1.1910-1940 キスリング、エコール・ド・パリの主役
展示室に入るとまずはポスターにも使われている<ベル=ガズー(コレットジュヴェル)>が目に飛び込んできます。
その周りにはキスリングの特徴的な画風、どこか物憂げで焦点の合わない表情の肖像画が数多く並び圧巻。一点だけ観るのとはインパクトが違います。
他にも静物、風景、裸婦とボリュームたっぷり展示されています。
展示室を出た通路には花の作品。色彩鮮やかでとても華やか。
階段を下りた先にも続きます。
こちらではモンパルナスの有名人、キキの裸婦がありました。
キキに関しては数多くの画家が描いていますがキスリング独特の肌の艶やかさや妖艶さに目を奪われました。
そしてこちらでは藤田嗣治の常設とのコラボレーション。
秋田県立美術館ならではの空間です。
2.1941-1946 アメリカ亡命時代
ナチスドイツにより死刑宣告を受けアメリカへ亡命したキスリング。アメリカでも名声は知れ渡っており、画業を続け人気を博しました。
3.1946-1953 フランスへの帰還と南仏時代
フランスへ帰ってきたキスリングが生涯を終えるまで、さらに進化したキスリングは抽象化、単純化を極めていきます。
キスリング展は全国巡回していますが東北ではこちらのみでの開催です。
秋田駅から徒歩で10分、安藤忠雄建築も楽しめる秋田県立美術館に是非足を運んでみてください。
エリアレポーターのご紹介
|
naomiracleart
心踊る作品や体験を求めて美術館や展覧会を巡っています。 作者や展覧会の魅力を伝えられる文章、写真を日々鍛錬中。
インスタグラム [naomiracleart]
|
エリアレポーター募集中!
あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?