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レポート
東京オリンピックと新幹線
【2025年度中まで全館休館予定】東京都江戸東京博物館 | 東京都
半世紀前の熱い想い
1964(昭和39)年10月10日に開幕した第18回オリンピック東京大会。そして五輪に合わせて同年10月1日に開業した東海道新幹線。日本の復興を印象づけた2つの大事業を、半世紀経った今、あらためて振り返ります。
(右)《国立競技場会場施設模型》丹青社/製作 1962年
《人権擁護絵葉書セット》東京都法務局人権擁護部・東京都人権擁護委員会/発行 1949年以降
戦後乱立したエロ・グロのカストリ雑誌 左端が《奇譚クラブ》
(左から)《電気洗濯機》早川電気工業/製作 1961年 《白黒テレビ》東京芝浦電気/製作 1953年頃
(左から)《0系新幹線電車1等車座席》日本国有鉄道/製作 1964年 《0系新幹線電車普通車3人掛座席》日本国有鉄道/製作 1964年 《0系新幹線電車連結部カバー》日本国有鉄道/製作 1964年
新幹線開業を祝う記念品の数々
幻となった1940年東京オリンピックの資料 左下は開催返上を報じる新聞
東京オリンピック公式ポスター 左から1961年、62年、63年、64年と毎年1枚ずつ制作された
(左から)《マラソン選手アベベ・ビキラの足の型紙》ハリマヤ運動用品/製作 1961年頃 《バレーボール日本女子チーム監督、大松博文のサイン「根性」》大松博文/書 1964年 《バレーボール》1964年
オリンピックが開催され、新幹線が開通したのは1964年。終戦は1945年、サンフランシスコ平和条約の発効が1952年ですので、実は焼け野原から19年、独立から12年しか経っていません。

半世紀前に、驚くべきスピードで進められたビッグプロジェクト。実現までの経緯を振り返ることで、これからの東京を考えていく企画展です。

会場入口に掲げられているのは、NHKのラジオ番組「街頭録音」のぼりです。終戦後に日本を占領したGHQは、民主化政策の手段としてラジオを重視。テーマを決めて街頭で市民にインタビューし、国民の声を放送で広めました。


会場入口から

展覧会は3章構成、第1章は「終戦から高度経済成長へ」です。

敗戦と同時に日本を間接統治したGHQ。1947年には日本国憲法が施行され、民主国家としての一歩を踏み出しました。

出版の分野もGHQの検閲下ではあるものの大幅に自由化。「奇譚クラブ」などのカストリ雑誌(大衆娯楽誌)も人気を博しました。

朝鮮戦争の特需も受けて、高度経済成長に突入。生活面でも特に都市部ではさまがわりし、(白黒)テレビ、電気洗濯機、電気冷蔵庫の「三種の神器」は、女性の家事労働負担を軽減させました。

民主化、自由、経済成長。いくつもの歯車がかみ合う事で、大事業に向けての環境は整っていったのです。


第1章「終戦から高度経済成長へ」

第2章は「高速鉄道、新幹線の歴史」。まずは新幹線開通前の東海道線を紹介します。

東京駅-神戸駅間が全線直流電化されたのは1956年。1958年には国鉄初の電車特急「こだま」が導入され、東京-大阪間の日帰り出張が可能となりました(ただし東京7:00発→大阪13:50着。帰りは大阪16:00発→東京22:50着)。

高度経済成長期に入り、東海道本線の輸送量がひっ迫。従来線を複々線化するという計画に対し、当時の国鉄総裁十河信二が「広軌高速鉄道を別線で敷設」と主張し、新幹線に向けて舵を切る事となります。

テスト走行用のモデル線区を小田原-綾瀬間に敷設。1962年からテスト走行が始まり、翌年には時速256kmと世界最高速度をマーク。1964年の開業にこぎつけました。

その後「ひかりは西へ」のキャッチフレーズのもと、山陽新幹線が建設。国鉄からJRに運営主体が変わった後も次々に新型車両が導入され、その活躍の場は海外にも広がっています。


第2章「高速鉄道、新幹線の歴史」

第3章は「1964年東京オリンピック・パラリンピック」です。

東京でのオリンピックは1940年に開催される事が決まっていましたが、時局が悪化。1938年に開催を返上した際の資料も展示されています。

そして、1964年の東京オリンピック。開催地に選出されたのは1959年です。敗戦から立ち上がり国際社会への復帰を目指す日本にとって、オリンピックの招致は悲願でもありました。

会場で目をひくのは、豪華なアタッシュケースに入った5つの模型です。CGもネットも無かった時代、海外に施設を紹介するため、持ち運びに便利なように作られました。蓋の裏側には英文の解説もついているこの模型、実は丹青社による製作です。

五輪閉幕後、11月8日から始まったのが「1964年パラリンピック国際身体障害者スポーツ大会」。もとは大戦で負傷した人々のリハビリとして行われたスポーツ大会がきっかけです。この大会が第2回ですが、パラリンピックという言葉はこの時に作られました。


第3章「1964年東京オリンピック・パラリンピック」

世紀のプロジェクトを支えた人々の熱い想いが響いてくるような企画展。巡回はせずに、江戸東京博物館だけでの開催です。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年9月29日 ]

東京オリンピックと新幹線

江戸東京博物館 (著), 行吉 正一 (著), 米山 淳一 (著)

青幻舎
¥ 2,300

料金一般当日:1,340円
 → チケットのお求めはお出かけ前にicon

 
会場
会期
2014年9月30日(火)~11月16日(日)
会期終了
開館時間
9:30~17:30
※入館は閉館の30分前まで。
休館日
毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)
住所
東京都墨田区横網1-4-1
電話 03-3626-9974(代表)
03-3626-9974(代表)
公式サイト http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/
料金
一般 1,340円(1,070円)/大学生・専門学校生 1,070円(850円)/中学生(都外)・高校生・65歳以上 670円(535円)/小学生・中学生(都内) 670円(535円)
※( )内は20名以上の団体料金。
※次の場合は観覧料が無料です。
未就学児童。身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付き添いの方(2名まで)。
※小学生と都内に在住・在学の中学生は、常設展観覧料が無料のため、共通券はありません。
※高・大学・専門学校生の方は学生証を、65歳以上の方は年齢を証明するもの(健康保険証、運転免許証など)のご提示をお願いいたします。
展覧会詳細 東京オリンピックと新幹線 詳細情報
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