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レポート
徳川の城 ~天守と御殿~
【2025年度中まで全館休館予定】東京都江戸東京博物館 | 東京都
天下普請で築いたヘッドクォーター、レガシー、シンボル…
関ケ原の戦いに勝利し、江戸幕府を開いた徳川家康。戦国の世は終わりを告げましたが、幕府はその権威を示すために重要な拠点に城を築かせました。今夏の江戸博は、勇壮華麗な江戸時代の城にスポットを当てました。
(左から)《北之庄城郭図》(福井城)松平文庫 福井県立図書館保管 / 《御城下之図》(福井城)松平文庫 福井県立図書館保管 / 滋賀県立指定有形文化財《覚 膳所城修覆願ケ所絵図》(膳所城)滋賀県立図書館蔵 / (右手前)疋田春湖・画《石鹿城図巻》(膳所城)大津市歴史博物館蔵
《江戸図屏風》(江戸城)国立歴史民俗博物館蔵[展示期間 8/4~8/30]※9/1~9/27は複製展示
(左)《浪華城全図》(大坂城)大阪城天守閣蔵 / (右)《大坂城乾櫓鯱瓦》(大坂城)大阪城天守閣蔵
《洛中洛外図屏風》(歴博D本)(二条城)国立歴史民俗博物館蔵[展示期間 8/4~8/30]
彦根市指定文化財《御城内御絵図》(彦根城)彦根城博物館蔵
《大坂市街・淀川堤図屏風》右隻(大坂城)大阪城天守閣蔵
(左手前)《江戸城本丸御殿表向絵図》(江戸城)東京都江戸東京博物館蔵 / (右奥)《江戸城本丸表の図》(江戸城)東京都江戸東京博物館蔵
(手前)《写形歯朶具足》徳川家継所用(江戸城)久能山東照宮博物館蔵
重要文化財《旧江戸城写真ガラス原板》東京都江戸東京博物館蔵
江戸城、名古屋城、大坂城など、江戸幕府が築いた「天下普請」の城を紹介する企画展。この時代の城は軍事要塞としてではなく、政策的な必要性から築かれました。そこに求められるのは、権力を示す象徴としての城。堅牢な石垣、水をたたえた堀、そしてひときわ高い天守。現在、多くの人がイメージする城のスタイルは、実はこの時代に出来上がったものです(戦国時代の城はもっと素朴なものでした)。


会場

公式サイトでは各々の城に横文字のニックネームが付けられており、これがなかなかユニーク。ここではまず「ヘッドクォーター」江戸城からご紹介しましょう。

江戸城関連の資料は最も数多く出展されていますが、注目は《朝鮮通信使図屏風》。左隻に本丸御殿での伝達式、右隻に城下での行列を描いています。明暦の大火で焼失する前の江戸城を描いた資料としても貴重な逸品です。


徳川幕府のヘッドクォーター、江戸城

続いて大坂城、豊臣家にかわる威信を示した「シンボル」です。

大坂城の資料は、屏風や絵図などのほかに現物も。本丸の建物を飾った鬼瓦や、創建当時のものとされる鯱(しゃちほこ)の瓦などが目をひきます。


威信を天下に示したシンボル、大坂城

《洛中洛外図屏風》で紹介されているのは、「レガシー」二条城。江戸時代には数多くの洛中洛外図屏風が制作されていますが、本展では8月30日まで歴博D本、9月1日からは歴博F本が展示されます。

琵琶湖に浮かぶ軍艦のような城は膳所(ぜぜ)城。鹿に見立てた大石で幕府の役人を追い払った事から「石鹿城」の別称があります。この地は京都の東の入口にあたり、政治・経済の両面で重要な場所。ここは「ディフェンス」の拠点、だそうです。


権威を今に伝えるレガシー、二条城 / ディフェンスの拠点、膳所城

駿府城は家康晩年の「ホーム」、家康はこの地で75年の生涯を終えました。

美しい駿府城天守を40分の1で再現した模型は、静岡県立島田工業高校建築科の卒業制作。模型の前にはタブレット端末が用意されており、模型にかざすとARマッピングで「駿府城の四季」が上映されます。


家康晩年のホーム、駿府城

会場内には大画面で江戸城の3DCGが楽しめるミニシアターも用意。将軍の執務室である「大広間」や忠臣蔵で有名な「松の廊下」などを、約4分の映像で紹介。城内を進んでいく構成で、なかなかの没入感です。

エピローグには、明治後の江戸城の姿を収めた古写真。幕藩体制の崩壊は、城の時代の終焉でもありました。会場最後は江戸城を明け渡して去る、勝海舟の肖像です。


江戸城の3DCG映像と、エピローグ

会期は9月末までですが、会期中には展示替えがあります。江戸東京博物館のサイトに展示リストがありますので、見たい作品がある方はお出かけ前にご確認ください。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2015年8月3日 ]

日本100名城公式ガイドブック―日本の文化遺産「城」を見に行こう日本100名城公式ガイドブック―日本の文化遺産「城」を見に行こう

福代徹 (著), 日本城郭協会 (著)

学習研究社
¥ 1,620

料金一般当日:1,350円
 → チケットのお求めはお出かけ前にicon


■徳川の城 に関するツイート


 
会場
会期
2015年8月4日(火)~9月27日(日)
会期終了
開館時間
9:30~17:30
※入館は閉館の30分前まで。
休館日
毎週月曜日 ※ただし8月10日(月)、9月14日(月)・21日(月)は開館
住所
東京都墨田区横網1-4-1
電話 03-3626-9974(代表)
03-3626-9974(代表)
公式サイト http://tc2015.jp/
料金
一般 1,350(1,080)円/大学生・専門学校生 1,080(860)円/中学生(都外)・高校生・65歳以上 680(540)円/小学生・中学生(都内) 680(540)円
※( )内は20名以上の団体料金
※次の場合は観覧料が無料です。未就学児童。身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付き添いの方(2名まで)。
※小学生と都内在住・在学の中学生は、常設展観覧料が無料のため、共通券はありません。
※中・高・大学・専門学校生の方は学生証を、65歳以上の方は年齢を証明するもの(健康保険証、運転免許証など)のご提示をお願いいたします。
※毎月第3水曜日(シルバーデー)は、65歳以上の方は観覧料が無料です。年齢を証明できるものをお持ちください。
展覧会詳細 徳川の城~天守と御殿~ 詳細情報
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