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レポート
クエイ兄弟 ―ファントム・ミュージアム―
渋谷区立松濤美術館 | 東京都
幻想的な世界観、アジア初の回顧展
一卵性双生児の映像作家、クエイ兄弟(スティーブン・クエイとティモシー・クエイ)。「ストリート・オブ・クロコダイル」(1986年)をはじめ、独自の世界観に彩られた幻想的な人形アニメーションは高く評価され、日本でもカルト的な人気を誇っています。アジア初の本格的な回顧展が、渋谷区立松濤美術館に巡回してきました。
デコール(部分)《仕立て屋の店内》
(左から)《拷問》 / 《切断手術を受けても意欲的な人のための自転車コース》
(左から)《無題(赤い断片上のフードを被った男性像)》 / 《無題(ベンチの上の分割された肉体)》
(左から)ユゼフ・ムロシュチャク ワルシャワ・オペレッタ劇場『乞食学生』 / ロマン・チェスレーヴィチ ワルシャワ国立オペラ劇場 ダッラピッコラ『囚人』 ※ともに参考出品
デコール《この名付け難い小さなほうき》
デコール《彼らは自分たちが孤独だと思っている》
(左から)デコール《樵》 / デコール《仮面》
(左)アニマトロニクス・パペット《女の子》 / (右下)パペット《うさぎ》
デコール《BBC2のアイデント》
展覧会は2階の第1会場からスタート。まずは初期の作品からです。

クエイ兄弟は米国生まれ。フィラデルフィア芸術大学在学中の1967年に、同大学で開催された「ポーランドのポスター芸術」展を見て、閉ざされていた東側の芸術から強い刺激を受けました。本展ではポーランドのポスターも参考出品として展示されています。

さらにロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学び、初期はイラストレーターとして活動します。この時期のドローイング連作「黒の素描(BLACK DRAWINGS)」は鉛筆で描かれたもので、黒い部分も鉛筆による塗りつぶしです。繊細で独特な表現は、後の映像作品にも繋がっていきます。


第1会場(1章)

地下の第2会場が展覧会のメインです。映像制作で使用された模型を展示しているほか、主な映像作品(計9本)も上映されています。

クエイ兄弟が映像作品を作り出したのは1979年から。1986年に「ストリート・オブ・クロコダイル」がカンヌ国際映画祭短編部門にノミネートされ、コマ撮りのアニメーション制作者として世界的に注目を集めました。

以降はミュージック・ヴィデオやコマーシャル映像の制作も依頼されるようになり、活動範囲は拡大。会場では舞台芸術など日本ではあまり知られていない活動についても紹介されています。


第2会場(2~5章)

気鋭の映像作家として注目を集めたのが80年代半ばなので、名前を聞いてピンとくる方は40代~50代の方が中心と思われますが、個性的な世界観は若い人の関心も呼びそう。渋谷という立地にもピッタリだと思います。

なお、クエイ兄弟は1947年6月17日生まれ。本展の会期中にちょうど70歳を迎えます。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2017年6月5日 ]

クエイ兄弟 ファントム・ミュージアムクエイ兄弟 ファントム・ミュージアム

The Quay Brothers (著), 籾山 昌夫" (編集), "柴田 勢津子 (編集)

求龍堂
¥ 3,240


■クエイ兄弟 ファントム・ミュージアム に関するツイート


 
会場
会期
2017年6月6日(火)~7月23日(日)
会期終了
開館時間
特別展期間中:午前10時~午後6時(金曜のみ午後8時まで)
公募展・小中学生絵画展・サロン展期間中:午前9時~午後5時
最終入館はいずれも閉館30分前までです。
休館日
6月12日(月)、19日(月)、26日(月)、7月3日(月)、10日(月)、18日(火)
住所
東京都渋谷区松濤2-14-14
電話 03-3465-9421
公式サイト http://www.shoto-museum.jp/exhibitions/173quay/
料金
一般1000円(800円)、大学生800円(640円)、
高校生・60歳以上500円(400円)、小中学生100円(80円)
 ※( )内は団体10名以上及び渋谷区民の入館料
 ※土・日曜日、祝休日及び夏休み期間は小中学生無料
 ※毎週金曜日は渋谷区民無料
 ※障がい者及び付添の方1名は無料
展覧会詳細 クエイ兄弟 ―ファントム・ミュージアム― 詳細情報
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