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レポート
「怖い絵」展
上野の森美術館 | 東京都
展覧会も大ヒット
作家・ドイツ文学者の中野京子さんによる『怖い絵』シリーズの刊行10周年を記念した「怖い絵」展。東京に先駆けて開催された兵庫展では27万人が来場、兵庫県立美術館の歴代3位という大ヒットとなりました。満を持して東京に巡回、会場は上野の森美術館です。
(左から)ヘンリー・フューズリ《オイディプスの死》リバプール国立美術館 / ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス《オデュッセウスに杯を差し出すキルケー》オールダム美術館
(左から)オディロン・ルドン《オルフェウスの死》岐阜県美術館 / ピエール・ラクール(父)《オルフェウスとエウリュディケ》ボルドー美術館
(左から)ベンジャミン・ウェスト《サウルとエンドルの魔女》ワズワース・アテネウム美術館 / ジャン・ラウー《ソロモンの判決》ファーブル美術館
(左から)ヘンリー・フューズリ《ミズガルズの大蛇を殴ろうとするトール》ロイヤル・アカデミー / フランソワ=グザヴィエ・ファーブル《スザンナと長老たち》ファーブル美術館
(左から)トマス・ハロウェイ《悪魔(フューズリの原画による)》個人蔵 / トニ・ジョアノ《スマラ》個人蔵
(左から)アンリ・ファンタン=ラトゥール《ヘレネー》プチ・パレ美術館 / アンリ・ファンタン=ラトゥール《聖アントニウスの誘惑》プチ・パレ美術館
ウィリアム・ホガース《ビール街とジン横丁》郡山市立美術館 (左)ビール街 / (右)ジン横丁
(左から)ジャン=ポール・ローランス《フォルモススの審判》プチ・パレ美術館 / 二コラ=アンドレ・モンシオ《アギスの死》プチ・パレ美術館

「背景を理解した上で絵を見る」事の楽しさを教えてくれた『怖い絵』シリーズ。一般的な美術書は作家や地域、絵のスタイルなどで分類する事がほとんどですが、同書は「内容が恐ろしい絵」というくくり。おのずと展覧会でも16世紀から20世紀まで、さまざまな作品が展示されています。


多くの死体を描いたゴヤによる版画《戦争の惨禍》のように、見るだけで恐怖を感じる作品もありますが、むしろ興味深いのは、ちょっと見ただけでは恐ろしさが分からない作品。会場入口近くの《オデュッセウスに杯を差し出すキルケー》も、近づく男たちを魔術で動物に変えてしまう恐るべき魔女。先に犠牲になった豚が右下に転がっています。


兵庫展は1フロアでしたが、上野の森美術館は2フロア。会場に入るとまず2階に進み、その後に1階と、上野の森美術館の通常の順路とは逆の進み方で、「神話と聖書」「悪魔、地獄、怪物」「異界と幻視」「現実」「崇高の風景」「歴史」の6章による構成です。


会場風景


主要作品の前には「中野京子's eye」パネルも設置。なぜこの絵が怖いのが、歴史や神話の世界にも踏み込んで解説されます。


お目当ての《レディ・ジェーン・グレイの処刑》は会場の最後。251×302cmという巨大な作品です。描かれた場面については展覧会場でご覧いただくとして、ここでは「再発見」のエピソードを。1928年にテムズ川が氾濫しテートギャラリーが浸水。いくつかの作品とともに、この作品も消失したと思われていましたが、1973年になって収蔵庫の大きな台の下から見つかりました。


忘れられていたのは、アカデミズムの画風や主題が古めかしい事もありました。修復されてナショナルギャラリーに戻り、現在ではまた多くの人に愛されています。


東京展も10月27日に10万人を突破、平日でも入場まで待ち時間が出る盛況ぶりです。週末の開館時間が延長となり、土曜日は9時~20時、日曜日は9時~18時、平日は10時~17時です。(開館時間はさらに変更される可能性もあります)。


混雑状況は公式ツイートで確認できます。もちろんチケットは、事前の購入をおすすめいたします。


[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2017年10月6日 ]


怖い絵 泣く女篇怖い絵 泣く女篇

中野 京子 (著)

角川書店
¥ 734

料金一般当日:1,600円
 → チケットのお求めはお出かけ前にicon


■怖い絵 に関するツイート


会場
会期
2017年10月7日(土)~2017年12月17日(日)
会期終了
開館時間
10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
(ただし展示によって異なる)
休館日
会期中無休
住所
東京都台東区上野公園1-2
電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
03-5777-8600(ハローダイヤル)
公式サイト http://www.kowaie.com/
料金
一般 1,600(1,400)円、大学生・高校生 1,200(1,000)円、中学生・小学生 600(500)円、小学生未満無料
()内は前売料金および20名以上の団体
展覧会詳細 「怖い絵」展  詳細情報
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