岡﨑乾二郎 視覚のカイソウ

    豊田市美術館 | 愛知県

    この上なく軽やかに壁に留まるレリーフ。小さなその一つの塊は、しかし建物のように豊かな空間をもち、また見る度に私たちの脳裏に異なる複数の姿を現す。 造形作家、岡﨑乾二郎(1955 年~)は、初個展「たてもののきもち」でレリーフ〈あかさかみつけ〉シリーズを発表して以来、彫刻、絵画、映像、メディア・アート、建築からテキスタイル作品、舞台美術、絵本、タイル、描画ロボットによるドローイングまで、あらゆるジャンルにおいて最前線で制作を続けてきました。さらに稀有なのは、灰塚アースワークプロジェクトにおける長期的な修景保存活動や四谷アート・ステュディウムにおける教育活動、展覧会のキュレーションや多分野にまたがる批評など、岡﨑が造形活動に劣らぬ熱量をもって、個の領分を超えた旺盛な活動を展開してきたことです。それが、およそ一人の人間の行い得る範囲を超えた広がりと、知性に支えられた深さをもっているのは、個々の作品のみではなく、それらの作品が生みだされる場所までをも岡﨑が形成、造形しようとしてきたがゆえと言えるかもしれません。 見ることには、つねに回想することが含まれています。岡﨑の作品を見るたびに、私たちのいる空間の階層は次々と入れ変わり、過去、未来そして現在という時間の階層もまた、のぼったりおりたりするように改められていきます。過去に遡ってその仕事を回顧するのではなく、作品を 前に回想することで、私たちの感覚が絶えず刷新されていく。この不思議で豊かな体験を、是非、豊田市美術館の空間で実感していただきたいと思います。
    会期
    2019年11月23日(土)~2020年2月24日(月・祝)
    会期終了
    開館時間
    10:00~17:30(入館17:00まで)
    料金
    一般 1,300(1,100)円 / 高大生 900(800)円 / 中学生以下無料

    ※()内は前売り及び20名以上の団体料金
    休館日 月曜日、12月28日~1月4日
    公式サイト https://www.museum.toyota.aichi.jp
    会場
    豊田市美術館
    住所
    〒471-0034 愛知県豊田市小坂本町8-5-1
    0565-34-6610
    岡﨑乾二郎 視覚のカイソウのレポート
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    愛知県の豊田市美術館で、造形作家、岡﨑乾二郎の個展が始まりました。会場に入ると、作家の幅広い活動領域を示すように、レリーフ、ドローイング、絵画、彫刻、タイル、布作品など、約270点以上がゆったりと並んでいます。一見したところ、明るい色調の作品が多く、とても楽しめそうです。ただ、作品の配置が年代順でも、ジャンル別でもないこと、順路にも決まりはないことを聞いて、不思議に思いました。さらに、展覧会タイトルの末尾が漢字ではなく、カタカナで「カイソウ」と表記されていることも不思議でした。それらのことを気に留めながら、展示を見始めました。
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