2026年も、日本各地の美術館・博物館で多彩な展覧会が開催されます。話題の大型展から、作品とじっくり向き合える企画展まで、内容はさまざま。
開催予定の展覧会の中から、ぜひ注目したい企画を厳選してご紹介!旅先での鑑賞はもちろん、日常の中で新しい視点を得るきっかけにも。2026年の展覧会巡りのヒントとして、ぜひチェックしてみてください。
2026年1月に始まる展覧会
東京都美術館「スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき」
スウェーデン美術黄金期の絵画を本格的に紹介する展覧会。19世紀末から20世紀に生まれた作品から、自然と共に豊かに生きる北欧の感性に迫ります。
東洋文庫ミュージアムがリニューアルオープン
リニューアル・オープンをかざる「ニッポン再発見」では、マルコ・ポーロから小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)まで、日本における異文化との接触・交流の足跡、外から見た日本イメージの変遷をたどります。
2026年2月に始まる展覧会
クヴェレ美術館がオープン
2026年2月14日、茨城県水戸市に新たなアートスポットがオープン。日本近現代の絵画と工芸作品、シルクロードの仏教美術や陶磁器のコレクションを展示します。
北野天満宮「KYOTO NIPPON FESTIVAL 2026」
10周年を迎える「KYOTO NIPPON FESTIVAL」は、アーティストの蜷川実花と宮田裕章、クリエイティブチームEiMが参画。歴史や伝統、アートが交錯する唯一無二の体験を味わうことができます。
アーティゾン美術館「クロード・モネ -風景への問いかけ」
印象派の巨匠クロード・モネの作品41点が来日。モネを含むオルセー美術館所蔵の約90点に、国内の美術館や個人所蔵作品を加えた合計約140点で、風景画家としてのモネの魅力に迫る展覧会。
京都市京セラ美術館「日本画アヴァンギャルド KYOTO 1948-1970」
これが日本画!?と思うような、戦後京都で生まれた日本画の反骨的創造運動を総覧して紹介する展覧会。日本画の枠を問い直し、新たな表現を模索した気鋭の若手画家とその軌跡を紹介します。
国立新美術館「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」
ダミアン・ハースト、ジュリアン・オピーはじめ、テート美術館が同館のコレクションを中心に、1990年代の英国美術の革新的な創作の軌跡を多角的に紹介する企画展。約60名の作家による約100作品が並びます。
三菱一号館美術館「トワイライト、新版画―小林清親から川瀬巴水まで」
「光線画」と呼ばれ、深い陰影により江戸の情緒まで捉えた、最後の浮世絵師のひとりと呼ばれる小林清親から、吉田博・川瀬巴水らに至る風景版画の流れを紹介。
2026年3月に始まる展覧会
東京国立近代美術館「下村観山展」
日本美術の道を切り拓き、主題の着想やその表現に創意工夫をこらした日本画家・下村観山。関東圏では13年ぶりとなる大規模な回顧展が開催。
山王美術館「生誕185年 ルノワール展」
印象派を出発点としながらも、絵画の伝統に学び、つきることなく探求をつづけたルノワールの画業の一端を辿る展覧会。光と色彩、生きる歓びにあふれたルノワールの世界を紹介。
国立科学博物館 特別展「超危険生物展 科学で挑む生き物の本気」
生物が生存競争を生き抜くために獲得した、「必殺技」の数々を、科学的な視点から解き明かし展覧会。
CREATIVE MUSEUM TOKYO「SORAYAMA 光・透明・反射 -TOKYO-」
アーティスト 空山基(そらやま はじめ)による過去最大規模の回顧展。代表作品から最新の彫刻作品、新作の映像インスタレーションも展示。
府中市美術館「長沢蘆雪」
18世紀後半の京都の画家、長沢蘆雪。ファンタスティックで不思議な風景、かわいい動物や子供。凄腕の絵もあれば、その正反対のへそまがりで愉快な絵など色々な角度から魅力に迫ります。
国立工芸館「ルネ・ラリック展」
ジュエリーとガラスのふたつの分野で活躍したフランスの工芸作家、ルネ・ラリック。ガレやドームの多彩なガラスも合わせて、時代を彩った作品を一堂に会する展覧会。
国立西洋美術館「チュルリョーニス展」
リトアニアを代表する画家であり作曲家のチュルリョーニス。神秘をめぐる絵画や楽譜を含むグラフィック作品を紹介します。
2026年4月に始まる展覧会
東京国立博物館 特別展「百万石!加賀前田家」
加賀・越中・能登の三か国を統治した大名家、前田家。百万石の城下町で育まれた美と文化が一挙に公開される展覧会。天下五剣の一振り、「大典太光世」も登場します。
国立新美術館「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」
ニューヨーク、パリを魅了した日本のファッションデザイナー、森英恵。美意識と技術力を発信し続けた森英恵の約400点の作品が並ぶ展覧会。
サントリー美術館「ゴールドマン コレクション 河鍋暁斎の世界」
神仏画から戯画、動物画、妖怪画に至るまで、卓越した画技と機知に富んだ発想で人気の河鍋暁斎。肉筆画と版画の名品、日本初出品となる優品を紹介。
東京都現代美術館「エリック・カール展 はじまりは、はらぺこあおむし」
絵本『はらぺこあおむし』をはじめ、絵本作家として世界中で今なお人気の絵本作家、エリック・カール(1929-2021)の回顧展。27冊の絵本の原画、グラフィックデザイナー時代の作品など展示。
大阪中之島美術館「驚異の部屋の私たち、消滅せよ。 — 森村泰昌・ヤノベケンジ・やなぎみわ —」
「関西ニューウェーブ」を代表する森村泰昌、ヤノベケンジ、やなぎみわが大阪中之島美術館に集結!美術とは何かという根源的な問いに立ち向かう3人に焦点を当てた展覧会です。
東京都美術館「アンドリュー・ワイエス展」
20世紀アメリカ具象絵画を代表する画家アンドリュー・ワイエス(1917-2009)。自分の身近な人々と風景を描き続けたワイエスの作品世界を紹介。
2026年6月に始まる展覧会
京都市京セラ美術館「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」
国立新美術館からの巡回展が6月3日から京都で開催。英国美術に焦点を当て、1980年代後半から2000年代初頭にかけて制作された作品を紹介します。
国立新美術館「ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ」
20世紀を代表する芸術家パブロ・ピカソ(1881-1973)の作品からインスピレーションを得て、遊び心あふれる色使いで知られる英国人デザイナー、ポール・スミスが会場のレイアウトを考案する展覧会。ピカソの初期から晩年までの作品群を緩やかな時系列に従って展観します。
東京国立近代美術館「杉本博司 絶滅写真」
現代美術作家、杉本博司(1948-)。杉本の初期(1970 年代後半)から現在に至る銀塩写真約65点を展観します。
アーティゾン美術館「エットレ・ソットサス —魔法がはじまるとき、デザインは生まれる」
20世紀イタリアデザインにおける世界的な巨匠、エットレ・ソットサス。日本初のソットサス回顧展として、石橋財団が所蔵する初期から晩年におよぶ112点を一挙に公開し、創意あふれるデザインの数々をご紹介します。
2026年7月に始まる展覧会
国立西洋美術館「版画家レンブラント 挑戦、継承、インパクト
」
17世紀オランダ黄金時代を代表する巨匠、レンブラント(1606-1669)。実験的な試みを通したエッチング表現や版画、文学や批評なども紹介します。
東京国立博物館 特別展「空海と真言の名宝」
真言宗十八本山で構成される真言宗各派総大本山会が、弘法大師空海生誕1250年を記念して総力を挙げて開催する特別展。各派の垣根を越え、国宝・重要文化財を含む寺宝が一堂に集結し、真言宗の歴史と教えを体感できる展覧会です。
奈良国立博物館 特別展「南都仏画―よみがえる奈良天平の美―」
古代から連綿と受け継がれてきた、奈良の珠玉の仏教絵画「南都仏画」。その歴史を選りすぐりの仏画・仏像の名品とともにたどる展覧会。注目は、ボストン美術館から里帰りする南都ゆかりの仏画。
東京都美術館「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱」
」
世界を代表する博物館である大英博物館から、日本美術コレクションの至宝が来日。江戸時代の屏風、掛軸、絵巻の絵画作品と、歌麿、写楽、北斎、広重など代表的な8人の浮世絵師による版画などを紹介します。
2026年8月に始まる展覧会
横浜美術館「マリー・アントワネット・スタイル」
時代の“ファッション・アイコン”としても知られているフランスの王妃、マリー・アントワネット。ファッションやデザイン、映画などに広く影響を与えてきたドレスや宝飾、家具を紹介します。
2026年9月に始まる展覧会
国立新美術館「ルーヴル美術館展 ルネサンス」
ルーヴル美術館から、レオナルド・ダ・ヴィンチ「美しきフェロニエール」の日本初公開する展覧会。ダ・ヴィンチ作品の来日は、1974年の「モナ・リザ」以来52年ぶりという歴史的な機会となります。
2026年10月に始まる展覧会
上野の森美術館「シンシナティ美術館展 ~アメリカに渡ったヨーロッパの至宝~」
アメリカ合衆国のオハイオ州のシンシナティ美術館が収集してきた膨大なコレクションから、コローやセザンヌ、モネをはじめとする84点が来日。
千葉県立美術館「大チーバくん展」
千葉県の形をモチーフに生まれた、県のマスコットキャラクター「チーバくん」。誕生20周年を迎えることを記念し、20年間にわたるその歩み、作者であるイラストレーター・さかざきちはるによる新作も並びます。
2026年11月に始まる展覧会
東京都美術館「オルセー美術館所蔵 いまを生きる歓び」
「印象派の殿堂」と称されるオルセー美術館のコレクションから、絵画や彫刻、工芸や写真など約110点を展示する展覧会。ミレー《落穂拾い》をはじめ、ルノワール、モネ、ファン・ゴッホらの作品が並びます。