前衛美術会とその周辺 ―川妻さち子コレクションから

戦後間もない1947年5月、前衛美術会は結成されました。1920年代のフランスで始まった、人間の無意識を表面化しようとするシュールレアリズムの芸術運動。この芸術の前衛と戦後の政治的な革新とをどのように結びつけたらいいか、そうした関心のもとに集まった作家たちの集団として出発します。50年代には、社会的事件を描き記録することを目的とした「ルポルタージュ絵画」を生みだしました。76年に齣（こま）展に改組され現在に至ります。 本展では、アートギャラリー環を主宰する川妻さち子氏よりご寄贈いただいた作品によって、尾藤豊、高山良策、中村宏、池田龍雄、鏑木昌弥など社会問題への鋭い関心と表現のあり方を問い続けてきた前衛美術会、齣展周辺の作家たちの活動を振り返ります。