コレクション展Ⅱ　八戸の戦後画壇

戦前、東京美術学校を卒業した福田寛や福勢喜一らが中心となって美術団体「躍陽社」が結成され、展覧会やデッサン会などを通して八戸美術界の形成期に重要な役割を果たしました。会員には、のちに太平洋美術学校へ進学する画家・西村健次郎（1910‐1972）がいます。西村は、郷里で教鞭を執りながら、中央の公募展などで作品を発表。八戸高等女学校（現八戸東高等学校）勤務中には、八戸の女流画家のさきがけである月舘れいの初期を導きました。 戦後、二科会の鷹山宇一の助言を受けて、郷土に腰を据え画業に打ち込んだ石橋宏一郎（1911‐1993）は、二科展を主な活動の場とし、同郷の画家・岩館千松と青森二科会を発足。デッサン会や美術教室を開設し、画家を志す者の指導にあたり、その後に続く世代を送り出す原動力となりました。 本展は、美術の普及に尽力した西村健次郎や石橋宏一郎を中心に、八戸の美術界の戦前から戦後を支えた作家たちを当館所蔵の作品を通して紹介し、八戸画壇を振り返ります。