2015年に国際交流基金、ロシア・エルミタージュ美術館、プーシキン美術館、樂美術館の主催によって「樂‐茶碗の中の宇宙」が開催されました。樂焼という日本の特殊な焼物の展覧会にもかかわらず、ロシアの人々の高い関心を集め、特にプーシキン美術館においては、およそ13万人の入場者があり大盛会となりました。
プーシキン美術館の展覧会では、講演会や15代吉左衞門と樂篤人氏によるギャラリートークの他にも、子供たちによる茶碗を制作するワークショップや樂茶碗を描くワークショップ等が催され、関連イベントも極めて充実したものとなりました。
こうした取り組みは、単に海外で日本の展覧会を行うということに留まらず、ロシアと日本の市民の間に深い交流を生み、中でも子供たちとの交流は、大変意義のあるものでした。
昨年から今年にかけては、京都国立近代美術館、東京国立近代美術館において「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術」がロシアでの帰国展として開催されました。開催中は若い人々の姿も多く見られ、約13万人の入館者がありました。
今回の秋期特別展では、樂美術館特別版の帰国展として、ロシアの人々との交流にも焦点を当て心の中に残るこの素晴らしい思い出を展覧会に致しました。
ロシアを旅した樂焼の名品と共に、ロシアの子供たちが描いた樂茶碗の絵、15代吉左衞門と子供たちが制作した樂茶碗なども特別出品されます。
また、初代長次郎作 二彩獅子(重要文化財)を始め、千利休所持の初代長次郎作 黒樂茶碗 万代屋黒、3代道入作 黒樂茶碗 青山(重要文化財)など、樂焼を代表する名品が一堂に並び、大変見応えのある展示となっております。