こんなガラス見たことない!COOLな江戸の職人芸
ポルトガル語vidroに由来する、江戸時代のガラス「びいどろ」。長崎の出島にもたらされたのをきっかけに、職人たちがそれをまねてつくるようになったのが始まりです。
この展覧会は、2011年に松山の道後温泉に開館した「瓶泥舎(びんでいしゃ)びいどろ・ぎやまん・ガラス美術館」の大藤範里氏が50年にわたり収集してきたコレクションをもとに構成されています。
「最も美しいガラスを探す」ということを大義とし、数多くのガラス細工を収集されてきた大藤さんに倣って、私もお気に入りの一品を探してみました。
《型吹き青色木瓜形皿》江戸時代 1711-1781
まずはこちら。こんなに綺麗な発色で、かつデザイン性に優れたお皿が江戸時代にあったなんて、と驚きを隠せません。
《型吹き菊形向付 十口》江戸時代 1711-1781
続いてこちら。このガラス、透明に見えますが、少し黄緑色がかっています。
菊の花をイメージして作られたこのガラスは、花びらの数が11枚になっているのですが、奇数の花びらを形にするのはとても難しいそうです。
《切子蓋茶碗 十合》江戸時代~明治時代前期 1844-1887
こちらの一品は使うのが勿体無いくらい綺麗な細工が施された切子の茶碗です。
蓋を開けるのでさえ緊張しそうです。
《雛道具 切子栓付瓶入り提重一式》江戸時代~明治時代前期 1844-1887
あれ?写真が小さくなった?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
こちら雛道具なんです。サイズはなんと、高さ約20センチ。
「提重」(さげじゅう)とは、4~5人分の酒の肴を入れる重箱のことで、お酒を飲むための器も一緒に入っています。観劇やお花見、紅葉狩りなど、行楽シーズンに大活躍していたそうです。
それをこのサイズで再現する江戸時代の技術、すごいですよね。
《雛道具 吹きガラス食器 十点》江戸時代 1760-1868
こちらも先程ご紹介した雛道具同様、ミニサイズのガラス食器たちです。
一番背の高いものでなんと10センチです。吹きガラスは熱が冷めてから口の部分が整えられます。このガラス食器には一体どれほどの技術が詰まっているのでしょうか。
こちらは展覧会風景です。カラフルなガラス食器がズラーっと並んでいます。
こちらは雛道具の展示されているコーナーの展覧会風景です。何が置かれているのかわからないほど小さい雛道具を、みんな目を凝らしてじっくり見ています。
この展覧会では全部で190点ものガラスコレクションが展示されているので、あなたのお気に入りの一品も必ず見つかるはずです。
まずはガラスの美しさを、ぜひ会場でご体感ください。
エリアレポーターのご紹介
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胤森由梨
美術が大好きな大学院生です。将来は美術鑑賞に関わる仕事がしたいと思っています。現在、instagram「tanemo0417」「artgram1001」でもアート情報を発信中です!
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