開館記念特別展示「150年目の鷗外‐観潮楼からはじまる」

開館記念特別展では、『150年目の森鷗外―観潮楼からはじまる』と題して、記念館の前身である文京区立鷗外記念本郷図書室、文京区立本郷図書館鷗外記念室から受け継いだ、文京区所蔵の鷗外関連資料を中心に、鷗外の人生をたどります。また、2006年に小堀家（鷗外の次女・杏奴のご遺族）よりご寄贈いただいた資料も初公開いたします。 文豪と軍医という異なる世界を強靭に保った鷗外の人生は、遺された日記や自筆原稿、書簡類などからうかがい知ることができます。 鷗外の住居であった観潮楼は、鷗外の交流拠点でした。観潮楼歌会をはじめとする集まりや日々の訪問客には、石川啄木、齋藤茂吉、与謝野寛、永井荷風、正岡子規など、多くの文化人たちがいました。日本近代文学のサロンといえる観潮楼での交流や、観潮楼で書かれた作品を通して、文豪鷗外を紹介します。 また、観潮楼には、鷗外と祖母・父・母・弟・妻、そして子どもたちとの暮らしがありました。子どもたちに「パッパ」と呼ばれたり、子どもたちに勉強を教えるために鷗外自ら教科書を手作りしたり･･･新収蔵資料から家庭人鷗外に触れます。 明治という時代を日本の近代化とともに生きた鷗外のメッセージは、現代の私たちに何を語りかけているのでしょう。