平家物語の影響か「おごれる者」として悪役扱いされることが多い平清盛。
平安末期に武家の棟梁となって権力を掌握。日宋貿易で財を成す一方で、広島の宮島には厳島神社を造って「平家納経」を奉納するなど、多くの宗教美術を生み出しました。
会場
展覧会は「平氏隆盛の足跡」「清盛をめぐる人々」「平氏の守り神-厳島神社」「平氏の時代と新たな文化」「平家物語の世界」の5章構成。
厳島神社に伝えられる至宝をはじめ、同時代の人々の肖像画や書跡、源平合戦を描いた絵画などを展示し、清盛が活躍した時代を振り返ります。
展示の目玉は「国宝 平家納経」。清盛は厳島神社を篤く信仰し、長寛2年(1164)には一門の繁栄を願って、善美を尽した装飾経「平家納経」を奉納しました。
表紙や見返しに華麗な絵が描かれた平家納経は約850年前に作られたものですが、今でも美しい輝きを放っています。本展では4巻が同時に公開されます。
会場
1月8日(日)スタートの大河ドラマ「平清盛」では、初めて武士による世の中を作り上げた「時代への挑戦者」として清盛の生涯が描かれます。
1月5日(木)に行われた開催記念式典には、清盛の妻・時子を演じる深田恭子さんがゲストとして登壇。展覧会を華やかに盛り上げていました。
深田恭子さんは展覧会の音声ガイドも担当。時子の声で、激動の時代を解説してくれます。
大河を見る前にチェックしておけば、ドラマの楽しみも増えること間違いなし。会期は2月5日(日)までと短めですので、お見逃し無く。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2011年12月26日、2012年1月5日 ]