現代日本の写実絵画だけを集めたユニークなコンセプトで、2年半前のオープン時にも大きな注目を集めたホキ美術館。その後も年々コレクションは充実しており、現在は350点以上の作品を所蔵するまでに至りました。
今回は所蔵作品の中から「光と風」をテーマにピックアップ、23名の作品、約60点で構成します。
本展では、作家へのインタビューをもとにした作品解説パネルを作品の横に設置。作品の制作意図が自身の言葉で語られ、より深く作品を楽しむことができるように工夫されています。
会場には静物画や風景画などさまざまな写実作品が並びますが、目を引くのは人物画。森本草介、野田弘志など、ホキ美術館を代表する作家による人物画は魅力たっぷりです。
会場のギャラリー1と、島村信之《紗》横たわる美しい裸婦を描いたのは、島村信之《紗》。「できる限りシンプルな構成で、女性の造形美をシンボリックに表現したい」と語られています。
企画展会場の「ギャラリー1」そのものも、壁面下部の窓から自然光が差し込むちょっと珍しい空間。美術館でも光の変化を楽しみながら、写実の美をお楽しみください。
この項でホキ美術館を取り上げるのも開館記念展以来となりますので、あらためて美術館についてもご紹介しましょう。
写実絵画約350点を所蔵するホキ美術館。三層の回廊型ギャラリーは、一部が宙に浮いたような珍しい構造で、2011年の日本建築大賞、千葉県・市の都市文化賞も受賞しています。
展示室は企画展を開催する「ギャラリー1」の他、森本草介の作品30点余を紹介する「ギャラリー2」、野田弘志、青木敏郎、磯江毅らを展示する「ギャラリー3」、15人の作家が100号以上の代表作を展示する「ギャラリー8」など、9カ所。当日なら館への出入りが自由なので、隣接する昭和の森も楽しむことができます。
森本草介を展示する「ギャラリー2」「ギャラリー3」には野田弘志《聖なるもの THE-I》と《THE-10》が並ぶホキ美術館のポストカード人気No1が、「ギャラリー8」の生島浩《5:55》なお、ホキ美術館では新人写実作家の発掘と写実絵画の発展を目的に「ホキ美術館大賞」を開始し、2013年7月8日(月)まで作品を募集しています。
受賞作品は、2013年11月に開催される「ホキ美術館大賞入選展」(仮称)で紹介されるとのこと。こちらも楽しみにしたいと思います。(取材:2013年5月22日)