IM
    レポート
    足立美術館に「魯山人館」がオープン
    足立美術館 | 島根県
    新たな50年へ
    近代日本画の名品と、美しい日本庭園で知られる足立美術館(島根・安来市)。開館50周年を記念し、北大路魯山人の作品を展示する「魯山人館」が新設されました。国内屈指の魯山人コレクションから、厳選した120点が公開されています。
    魯山人館 外観
    魯山人館 内観
    (手前)北大路魯山人《金らむ手津本(金襴手壺)》1940年頃
    (左から)北大路魯山人《乾山風絵変向 十》1951年頃 / 北大路魯山人《織部風誰可袖向付 五》1930~31年頃
    北大路魯山人《いろは屛風》1953年
    大観室
    小展示室 (左から)横山大観《那智乃瀧》1915年 / 横山大観《蓬萊山》1948年
    新館
    右奥の「亀鶴の滝」は、横山大観《那智乃瀧》をイメージして作られた人工の滝
    書画や篆刻、陶芸や漆芸など幅広い分野で才能を発揮し、優れた芸術作品を生み出した北大路魯山人(1883-1959)。足立美術館では創設者の足立全康、そして全康の孫で現館長の足立隆則氏も熱心に魯山人作品を収集し、現在では約400点を所蔵しています。これまでは陶芸館で50点前後の魯山人作品を展示していましたが、より多くの作品を展示できる施設として新設されたのが、魯山人館です。立地は赤松が林立する庭園の中。石畳のアプローチを進み、奥に佇む蔵のようなイメージで設計されました。魯山人館のエントランスロビーには、魯山人の刻字看板《淡海老鋪》を展示。大正2年、福田大観と名乗っていた若き日の作品で、魯山人の篆刻では傑作と評価されています。展示室は、壁面展示ケースの上部に照明を設置。光が天井面に反射し、柔らかな光が室内を包みます。室内は白ベースなので、魯山人の多彩な作品、どれもが美しく引き立ちます。ひときわ目を引く豪華な壺は、《金らむ手津本(金襴手壺)》。紅色の器の全面に葡萄の葉、実、蔓が金泥で描かれています。魯山人は赤地金襴手を得意としましたが、このような大作は異例。雅趣に富み、魯山人陶芸の最高峰の一点といえます。魯山人コレクションの新収蔵品、54点も見どころ。《いろは屛風》も新収蔵品で、淡墨で「いろは歌」を豪快に書いた六曲一双屛風です。70歳の時の作品で、晩年の書の代表作でもあります。展示ケースには最新の高透過・低反射ガラスを採用。作品の細部まで楽しむことができます。新たな50年に向けて歩き始めた足立美術館、時間をとってゆっくりとお楽しみください。内外に名高い足立美術館ですが、このコーナーでご紹介するのは初めてです。美術館全体についても、ご紹介しましょう。島根県安来市にある足立美術館。創設者の足立全康は、大阪で繊維問屋、不動産関係などの事業を展開するとともに、幼少より興味を持っていた日本画を収集。郷土への恩返しの意味も込めて1970年に開館したのが、足立美術館です。コレクションの中心は近代日本画。中でも横山大観は《無我》《紅葉》など名作も含めて約120点を揃えており、横山大観特別展示室(大観室)で、常時20点前後を公開しています。今秋には開館50周年記念として本画100点を展示する「横山大観の全貌」展も開催されます(9/11~10/25)。他にも竹内栖鳳、上村松園など著名な近代日本画家の作品を数多く所蔵。季節にあわせた年に4回の特別展で、展示替えしながら紹介しています。日本美術の発展への思いから、1995年には足立美術館賞もスタート。毎年9月に開催される日本美術院展覧会(院展)の中から1点を選考し、買い上げています。25年に及ぶ活動という事もあり、やや目立たなくなっているように感じられますが、民間の美術館がこれほど長期にわたって日本美術を支援するのは異例。高く評価されて良いと思います。そして、何といっても特筆されるのが庭園。創設者の足立全康は「庭園もまた一幅の絵画である」という信念のもと、91歳で亡くなるまで、庭造りに執心。米国の日本庭園専門誌において、17年連続で日本一に選ばれています。庭園は枯山水庭、白砂青松庭など。年間を通して入念に手入れが行われ、四季折々でさまざまな表情を見せてくれます。美術品は撮影不可ですが、庭はOK。いつも多くの方が記念撮影を楽しんでいます。[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2020年3月26日 ]
    足立美術館: 四季の庭園美と近代日本画コレクション足立美術館: 四季の庭園美と近代日本画コレクション
    足立美術館 (監修)
    河出書房新社¥ 1,980
     
    会場
    会期
    2020年4月1日(水)開館
    開館時間
    4月~9月:9:00~17:30
    10月~3月:9:00~17:00
    休館日
    年中無休(新館のみ展示替えのため休館日あり)
    住所
    島根県安来市古川町320
    電話 0854-28-7111
    公式サイト http://www.adachi-museum.or.jp/
    料金
    大人 2300円 / 大学生 1800円 / 高校生 1000円 / 小中生 500円

    ※ 本料金で、日本庭園や本館・新館にて公開されている展示作品のすべてをご覧になれます。
    ※ 各種割引制度があります。
    展覧会詳細 足立美術館に「魯山人館」がオープン 詳細情報
    展覧会ランキング
    国立西洋美術館 | 東京都
    ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
    開催中[あと98日]
    2020年6月18日(木)〜10月18日(日)
    熊本城ホール | 熊本県
    特別展 ミイラ「永遠の命」を求めて
    開催中[あと55日]
    2020年5月21日(木)〜9月5日(土)
    国立新美術館 | 東京都
    古典×現代2020―時空を超える日本のアート
    開催中[あと43日]
    2020年6月24日(水)〜8月24日(月)
    静岡県立美術館 | 静岡県
    みんなのミュシャ
    開催中[あと56日]
    2020年7月11日(土)〜9月6日(日)
    東京国立博物館 | 東京都
    特別展「きもの KIMONO」 
    開催中[あと42日]
    2020年6月30日(火)〜8月23日(日)
    おすすめレポート
    IM レポート
    細見美術館 | 京都府
    春画展(前期)
    IM レポート
    IM レポート
    IM レポート
    PLAY! MUSEUM | 東京都
    「PLAY! MUSEUM」がオープン
    読者 レポート
    大分県立美術館 | 大分県
    坂茂建築展
    学芸員募集
    石川県教育委員会事務局職員(埋蔵文化財専門調査員)募集(R3.4採用) [文化財課、金沢城調査研究所、石川県埋蔵文化財センターなど]
    石川県
    令和2年度吉野ヶ里町職員(文化財保護主事)採用統一試験のお知らせ [吉野ヶ里町役場]
    佐賀県
    短時間勤務特別雇用職員(文芸企画員1名)募集 [三鷹市山本有三記念館]
    東京都
    熊谷市一般職の任期付職員(遺跡発掘調査員)の募集 [熊谷市江南文化財センター、池上遺跡(熊谷市池上地内)等]
    埼玉県
    美術館内諸業務 マネージャー候補 [清春芸術村]
    山梨県