特集
    2025年 春のおすすめ展覧会 ベスト10 ― 東京版 ― [3月・4月・5月]

    春、新たな感性が芽吹く季節、注目を集める展覧会が続々と始まります。新進気鋭のアーティストから巨匠まで、多彩な表現が交差するこの機会をお見逃しなく。全国版はこちらです


    大河ドラマでも話題!江戸時代のメディア王、蔦重の世界

    大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」でも話題となっている主人公・蔦屋重三郎(蔦重)。江戸時代に浮世絵師を世に送り出し、出版業界に革新をもたらした蔦重は、狂歌や戯作者とも交流し、多彩な文化を繋げました。東京国立博物館で開催特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」では、蔦重が創出した芸術性を体験することができます。


    東京国立博物館 特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」


    どこみる?!サンディエゴ美術館 vs 国立西洋美術館

    国立西洋美術館では、サンディエゴ美術館と国立西洋美術館の所蔵品約90点を展示。ルネサンスから印象派までの西洋美術の作品をペアやグループで比較し、絵画のストーリーを深掘りします。2館の競演を通じて、絵画の楽しみを味わえる「西洋絵画、どこから見るか?―ルネサンスから印象派まで」は、3月11日から。


    国立西洋美術館「西洋絵画、どこから見るか?―ルネサンスから印象派まで」


    世界に3点!曜変天目が秘める謎にせまる

    南宋時代に中国で作られ、世界に3点のみ現存する東洋陶磁の至宝、曜変天目。多くの人々を魅了し続けている、漆黒の釉薬に浮かぶ虹色の光彩による謎めいた美しさ。その神秘的な輝きの秘密にせまる「黒の奇跡・曜変天目の秘密」は、静嘉堂@丸の内(静嘉堂文庫美術館)にて開催。


    静嘉堂@丸の内「黒の奇跡・曜変天目の秘密」


    西洋で愛された伊万里、時を超えた里帰りの物語 [PR]

    ヨーロッパで珍重された伊万里焼。現在でも各所に残っていますが、再び日本に「里帰り」したものもあります。戸栗美術館「西洋帰りのIMARI展―柿右衛門・金襴手・染付―」では、柿右衛門様式や古伊万里金襴手様式などヨーロッパ好みの華やかな約80点で、伊万里焼貿易の歴史をひも解きます。

    戸栗美術館「西洋帰りのIMARI展―柿右衛門・金襴手・染付―」
    戸栗美術館「西洋帰りのIMARI展―柿右衛門・金襴手・染付―」


    ミロの芸術の真髄を体感

    ピカソと並びスペインの画家として知られる20世紀の巨匠、ジュアン・ミロ(1893~1983)。東京都美術館では、〈星座〉シリーズをはじめミロの初期から晩年までの絵画、陶芸、彫刻を通して、芸術の全貌を紹介する大回顧展ミロ展が開催されます。


    東京都美術館「ミロ展」


    ラーメン丼から味わうアート

    3月7日から21_21 DESIGN SIGHTで開催されるのは企画展「ラーメンどんぶり展」です。美濃焼を中心にラーメン丼のデザインや歴史を紹介。会場には、40点のオリジナルラーメン丼や新作を展示、ラーメン文化や美濃焼の背景、器の役割を探る「ラーメンと器の解剖」コーナーも設けます。


    21_21 DESIGN SIGHT 企画展「ラーメンどんぶり展」


    世界が注目、ヒルマ・アフ・クリント

    いま世界が注目するアーティスト、ヒルマ・アフ・クリント。 カンディンスキーやモンドリアンより早く抽象絵画を描いた画家で、死後70年を経て再発見がされています。アジア初の大回顧展となった、東京国立近代美術館 「ヒルマ・アフ・クリント展」では、日本初公開の約140点を展示し、画業の全貌を紹介します。


    東京国立近代美術館「ヒルマ・アフ・クリント展」


    藤田嗣治の創作源に迫る

    SOMPO美術館では、レオナール・フジタ(藤田嗣治)の創作源に迫る展覧会が、フジタ研究の第一人者シルヴィー・ビュイッソン氏監修のもと開催されます。フランスの個人所蔵の紙作品を中心に、自画像や女性、宗教画など7つのテーマで構成。フジタと深い関わりがあった日本人画家の作品も展示し、彼の同時代の役割を再評価する「生誕140周年 藤田嗣治 7つの情熱」は4月12日から。


    SOMPO美術館「生誕140周年 藤田嗣治 7つの情熱」


    洗練されたフォルムを味わうヴィルカラの世界

    東京ステーションギャラリーでは、フィンランドのデザイン界の巨星、タピオ・ヴィルカラ(1915-1985)の日本初となる回顧展が開催されます。ガラス、磁器、家具、照明など多岐にわたるデザインを手掛けたヴィルカラ。「タピオ・ヴィルカラ 世界の果て」では、約300点のプロダクトやオブジェ、写真、ドローイングを通じて、繊細でダイナミックな魅力を紹介します。


    東京ステーションギャラリー「タピオ・ヴィルカラ 世界の果て」


    アニメの壮大な世界を美術館で

    日本科学未来館では、アニメ「チ。―地球の運動について―」の世界を飛び出して、地動説の歴史的研究から現代の観測技術まで、数々の知恵を紹介。来場者は「地動説研究ノート」を使いクイズに挑戦し、アニメの名場面再現や迫力ある映像、フォトスポットで宇宙を楽しみながら学べます。「チ。 ー地球の運動についてー 地球(いわ)が動く」は、3月14日から。


    日本科学未来館「チ。 ー地球の運動についてー 地球(いわ)が動く」

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    江戸の出版文化を牽引。時代を先取りした企画力と、プロデュース力を体感
    浮世絵師・歌麿や写楽の代表作をはじめ、蔦重の手がけた傑作を一堂に展示
    大河ドラマと連動した体験型展示。会場に蔦重が生きた江戸の空気感を再現
    5
    生誕110年。フィンランドの巨匠タピオ・ヴィルカラ日本初めてとなる回顧展
    生命の神秘や大自然から着想。ガラスや磁器、家具、グラフィック、空間まで
    溶けおちる氷をイメージした“ウルティマ・ツーレ”のインスタレーション展示
    4
    現存する3点はすべて国宝。曜変天目の神秘的な虹色と、謎に包まれた魅力
    今回は特別に高台裏までじっくり鑑賞可能。会場の最終版でじっくり鑑賞を
    器や刀剣、鐔など日本と中国の「黒」の表現に着目。深みある美しさを堪能
    4
    話題のアニメの世界観を体感しながら地動説の歴史や天文学を学べる展覧会
    クイズや体験展示を通じ天文学の発展や真理を追い求めた人々の情熱に迫る
    クライマックスはサカナクションの楽曲とともに圧巻の映像による没入体験
    1
    サンディエゴ美術館と国立西洋美術館。比べることで見えてくる新たな魅力
    ルネサンスから19世紀まで。時代や地域の表現の違い、画家の個性を楽しんで
    スペインで発達した静物画「ボデゴン」。コターンなど数々の名作が初来日
    0
    主役は「ラーメンのどんぶり」。ラーメンの文化や成り立ち、デザインを紹介
    デザイナーやアーティスト達がデザインした、ラーメン丼とレンゲを回転展示
    会場内には、屋台も登場。目や耳からも“ラーメン”にどっぷりひたれる展覧会
    3
    秘教思想や科学的発見とも結びついた、数々の抽象画。再評価が進む先駆者
    精神的・科学的探求を具現化した「神殿のための絵画」など約140点を展示
    異例の巨大サイズで描かれた10点組〈10の最大物〉など全作品写真撮影可能
    3
    約70年にわたる創作活動を一望。ミロの生涯と創作の全貌をたどる大規模展
    激動の時代を背景に描かれた〈星座〉シリーズ。静かな抵抗と創造への意志
    既成概念を超えた革新性。ラディカルな技法など「芸術の脱神聖化」を追求
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    2025年4月5日(土)〜6月22日(日)
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    21_21 DESIGN SIGHT | 東京都
    2025年3月7日(金)〜6月15日(日)
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    東京国立近代美術館 | 東京都
    2025年3月4日(火)〜6月15日(日)
    開催中[あと30日]
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    東京都美術館 | 東京都
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