香合百花繚乱

素材も形状も、バラエティー豊か

「香」を入れる蓋付きの容器、香合(こうごう)。当初は唐物の漆器が使われていましたが、茶の湯の流行に伴ってバラエティー豊かな香合が生まれました。数多くの香合を所蔵する根津美術館で、館蔵品を中心に約170点の香合を紹介する展覧会が始まりました。

  • 漳州窯《交趾大亀香合》中国・明時代 17世紀
  • 《彫彩漆林和靖香合》中国・明時代 16世紀
  • 景徳鎮窯《祥瑞蓮花香合》中国・明時代 17世紀
  • (手前)景徳鎮窯《祥瑞豆獅子香合》中国・明時代 17世紀
  • (手前)漳州窯《交趾狸香合》中国・明時代 17世紀
  • (左)漳州窯(田坑窯)《交趾大阿古陀香合》中国・清時代 18世紀 / (右奥)漳州窯《交趾額梅香合》中国・明~清時代 17世紀 / (右手前)漳州窯《交趾大獅子香合》中国・明時代 17世紀
  • 野々村仁清《色絵ぶりぶり香合》江戸時代 17世紀
  • 《御所車蒔絵香合》江戸時代 17~18世紀
  • (手前)偕楽園《交趾写獅子香合》江戸時代 19世紀

まずは、茶の湯と「香」の基礎知識から。香は「香木(それ自体に香を持つ木)」と、「練香(数種の香料を混ぜて練り固めたもの)」の二種類があり、茶の湯では、炉(11~4月)は練香、風炉(5~10月)は香木です。練香はやきものの香合、香木は漆器など木製の香合に入れます。

香が日本に入ってきたのは6世紀頃。仏教儀式では大香合も使われていましたが、日常的に携帯される径5cmほどの「袖香合」が、茶の湯で使われる香合のルーツです。

茶の湯における初期の香合は、唐物の漆器。続いて国産のやきもので香合が作られ、一気にその世界が広がっていきました。

現在の茶の湯で最も賞玩されているのが、寛永年間(1624~44)に中国からもたらされた、やきものの香合。展覧会メインビジュアルの《交趾大亀香合》もそのひとつで、愛らしい亀の姿を象っています。

17世紀になると、野々村仁清が雅な意匠を取り入れた香合を制作。江戸時代には漆の香合にも新しい技術が取り入れられます。

19世紀には日本中の窯で香合が作られ、井伊直弼の茶会記にも多彩な香合が登場しています。

会場


幕末には「形物香合番付」と呼ばれる香合の番付表が作られるほど人気を博した香合。会場にも安政2(1855)年版の番付「形物香合一覧」が紹介されていますが、そのうち40点ほどの作品が本展で展示中です。根津美術館の基礎となるコレクションを蒐集した初代根津嘉一郎も、香合に魅せられたひとりでした。

「香合百花繚乱」展は展示室1での開催ですが、コレクション展の「釜 ―茶室の主の姿―」(展示室2)、「花月の茶」(展示室6)にも1点ずつ香合が出ています。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2018年2月21日 ]

TOKYO美術館 2017-2018TOKYO美術館 2017-2018

 

エイ出版社
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会期

2018年2月22日(木)~3月31日(土)