アジアの心、仏教美術展

　 ボストン美術館は1890年に日本部を設けて以来、東洋美術のコレクションを進め、日本はもちろんアジア全体を包括した収蔵品の質と量は、欧米では最大規模と評価されています。本展は、アジア文化の源流ともいえる仏教伝来の歩みを、ビゲロー・コレクションなどボストン美術館が所蔵する仏教美術の名品の数々にたどります。展示作品50点のうち、日本初公開の門外不出の名宝が42点を占め、本展ならではの見どころとなっています。 　 インドに始まった仏教は、アジアの各国に伝わる過程で、難しい教えをわかりやすく具現化した仏像、絵画、工芸、経典などの仏教美術を生み出しました。各地で花開いた仏教美術は、それぞれの国の風土や文化、さらには土着の宗教の影響を受け、さまざまに変化しています。本展では、インドから日本に至る仏教伝来の跡をたどり、遺された美術品に民族性や時代性がどのように反映されているかを比較展示し、人々の心をとらえ、信仰に導いた仏教美術の造形的な美しさをご覧いただきます。