古来より、神社に、祈願のため、また祈願成就の御礼として奉納されてきた絵馬は、その画面に様々な物語や出来事を描き、単なる奉納物以上の親近感と存在感を私たちに与えてくれます。
今回の展示では、絵馬の絵画的な美しさを楽しむことはいうまでもなく、その変遷や流通、背後にある地域の歴史についても着目し、愛媛の代表的な絵馬を展示し、その移り変わりを辿ります。また、絵馬を描いた郷土の絵師たちの作品や瀬戸内海を越えて京、大坂を訪れた人々の絵馬等を紹介します。併せて、遺跡から出土した古代の絵馬、年中行事の藁馬、江戸期、大正期の絵馬の解説書等も展示し、くらしのなかでの絵馬の変遷を探ります。
【展示構成】
1. 馬を造る・馬を描く -絵馬の始まり-
2. 絵馬を描く・絵馬を記す -絵馬へのまなざし-
3. 愛媛絵馬繚乱
4. 郷土の絵師が描いた絵馬
5. 瀬戸内海を越えた人々の絵馬
【主な展示資料】
日本最古の絵馬((財)大阪府文化財センター)
□愛媛県最古の絵馬(伊吹八幡神社蔵)
○伊場遺跡出土絵馬(浜松市博物館)
年中行事や郷土玩具の藁馬((財)日本郷土玩具博物館蔵)
白馬図(宝珠寺蔵)
堀川館の源義経(磐座八幡神社蔵)
□牛若丸と弁慶の絵馬(内子町境三島神社蔵)
□仁田四郎の猪退治(宗方八幡神社蔵)
小絵馬(製作資料)50点
(○:県指定文化財、□:市町村指定文化財)
期間中、資料保存のため一部展示替えを行います。