関根烝治コレクション　蔵書票展

　「蔵書票」とは、本の見返し（表紙の裏）に貼って、「これは誰それの蔵書である」ということを明示するための紙片です。従って、通常蔵書票には本の持ち主の名前が記載されます。日本では古くから蔵書印が用いられてきましたが、ヨーロッパでは15世紀中頃から蔵書票が使われてきました。「蔵書からの一冊」を意味するラテン語のEx Libris（エクスリブリス）が世界共通の呼び方です。 　日本にも明治33年（1900）から蔵書票が紹介され、川上澄生をはじめ多くの版画家たちが蔵書票の制作を手がけています。 　蔵書票は、その文字と絵の織りなす美しさ故に、本来の目的から発展し、ひとつの美術作品として世界中のコレクターが収集しています。特に西洋では最近、鑑賞することを主眼にした大型の蔵書票が制作されるようになってきています。 　関根氏は日本書票協会の元会長で、特にドン・キホーテをテーマにした蔵書票のコレクターとして有名な方です。 　物語の一場面を見るような、美しく繊細な蔵書票を、どうぞごゆっくりお楽しみください。