原美術館は1979 年12 月の開館以来、常に<現在(いま)>第一線で活躍する作家たち、あるいはこれからの活躍が期待される若手の作家たちとの、出会いと交流を大切にしてまいりました。今回の「原美術館コレクション展」では、Be Alive!”—現在(いま)、この瞬間、生きろ、元気に行こう—をキーワードに、21 世紀に入って10 年が経過した<いま>、まさに生き生きと第一線で活躍中の作家たちによる表現を所蔵作品の中から選りすぐり、展観いたします「個人の感性、個性を大事にして継続してきたことが、原美術館コレクションの特徴」(館長・原俊夫)と言えます。当館において企画展の開催、あるいはコレクションの収集時に最優先されるのは、ひとつひとつの作品と真摯に向き合う<この瞬間>の感動です。それは、作家の国籍や人種、性別はもとより、既存の価値観に基づくアートの潮流にも囚われない、私立美術館としての自由意思の表明でもあります。また、作家や鑑賞者の皆さまと同時代の視座に立ち、「新しい価値を共に創造してゆくこと」は、当館の基本方針でもあるのです。コレクションは当館の姿勢を顕著に伝える顔であり、また開館から約30 年の歩みを映し出す鏡とも言えるでしょう。
2月17日(木)よりプロジェクト 「ミカリーン トーマス:母は唯一無二の存在」をギャラリーIにて併催。アフリカン アメリカンの女性を描いた色鮮やかな肖像画で一躍時の人となった気鋭の作家、ミカリーン トーマス(1971年生まれ)の「ママ ブッシュ:母は唯一無二の存在」(2009年)が昨年原美術館コレクションに加えられたことを機に、作家をニューヨークから招聘し開催する小企画。母を題材にラインストーンで装飾された色鮮やかな巨大絵画を、その絵画の舞台を再現したインスタレーションとともに紹介します。展覧会初日には作家によるトークも開催 (駐日アメリカ合衆国大使館、原美術館主催)。