日本カメラ博物館(館長 森山眞弓)では、2011年11月1日(火)から2012年2月26日(日)まで、特別展「甦るペンタックスカメラ博物館展」を開催します。2009年に惜しまれつつ閉館した「ペンタックスカメラ博物館」ですが、その収蔵資料のほとんどが当館へと移譲され、このたび特別展として公開することが決定しました。
「ペンタックスカメラ博物館」は、旭光学工業の初代社長松本三郎氏が「明治百年記念事業」のひとつとして「内外カメラの蒐集と保存・展示」を目的に、1967(昭和42)年12月、東京・西麻布に設立した「ペンタックス・ギャラリー」が前身となっています。同館は日本初の大規模なカメラ博物館であると同時に、「常設写真展覧会場」を併設した総合的な写真関連施設であったことが特徴です。初代館長にはカメラ研究家の北野邦雄氏が就任されました。
翌年には鈴木八郎氏が館長に就任し、「一眼レフの歴史展」や「コダック・カメラの歴史展」などの特別展示を開催したほか、海外の写真関連施設との交流などによる収蔵カメラの充実などに尽力されました。1975(昭和50)年からはギャラリーの一角に関係資料や写真、カメラを特別展示して具体的な解説を試みる取り組みがなされます。特に同年10月に開催されたライカ研究の第一人者である中川一夫氏の「戦前までのライカ発達史」は、大きな反響を得て翌月にも再度開催されたほか、『ペンタックス・ギャラリー・ニュース (ミラー・イメージ)』の特集記事として2号にわたり反映されました。
1981(昭和56)年10月には東京・新宿西口に「ペンタックス・フォーラム」が開設され、翌年末に写真展運営が同所に一本化されます。これによりペンタックス・ギャラリーは「カメラ博物館」として運営を続けることとなります。
1993(平成5)年7月には栃木県益子町の旭光学工業益子事業所内に移転し、「ペンタックスカメラ博物館」として再開館しましたが、2009(平成21)年7月31日をもって、多くのカメラファンに惜しまれながら閉館しました。
貴重なコレクションの離散も懸念されましたが、2010(平成22)年、同館所蔵の貴重な資料の多くが日本カメラ 博物館に移譲され、このたび特別展として公開することとなりました。
今回の展示では、「ペンタックスカメラ博物館」旧蔵品から、国内外の名機や珍品、ペンタックスの歴代主要機種、写真関連資料など、選りすぐりのカメラ・コレクションを展示いたします。また、同館が発行していた『ペンタックス・ギャラリー・ニュース(ミラー・イメージ)』の特集記事に沿ったテーマの展示も行い、同館が取り組んできた実績や成果を、実機と併せて紹介いたします。