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    レポート
    日活映画の100年 日本映画の100年
    国立映画アーカイブ | 東京都
    日本映画の礎、波乱万丈の一世紀
    1912年に4つの映画会社が合併して誕生した、日本活動写真株式会社(略称:日活)。時代の荒波に揉まれながらも、日本の映画産業に大きな足跡を残した同社の一世紀の歩みを振り返る展覧会が、東京国立近代美術館フィルムセンターで開催中です。
    日活ダイヤモンドラインの面々。上から時計回りでタフガイ(石原裕次郎)、マイトガイ(小林旭)、やんちゃガイ(和田浩治)、ダンプガイ(二谷英明)、エースのジョー(宍戸錠)、クールガイ(赤木圭一郎)
    冒頭は日活誕生時の資料など
    左は堀久作社長のレリーフ。彫刻家の北村西望が作り、日活の廊下に飾られていた
    日活撮影所の音作りの象徴でもある、米国製の録音機材「ウェストレックス録音コンソール」
    「今日もなければ、明日もない!…」。惹句(じゃっく:映画の宣伝コピー)が光ります
    奥の達者なイラストは、ともに宍戸錠さんの作品
    日活唯一の怪獣映画「大巨獣ガッパ」
    18禁の第5章には、日活ロマンポルノカレンダー(縮小複製)など
    現代の日活。右は2009年「ヤッターマン」で主演の櫻井翔さんが着用した衣装
    日本初のスター俳優だった「目玉の松ちゃん」こと尾上松之助、アクション映画で石原裕次郎が活躍した全盛期、ロマンポルノへの転換…日活の100年の歴史は、まさに波乱万丈でした。会場ではその変遷を6章に分けて紹介しています。

     第1章 日活参上! ─ 向島撮影所の時代
     第2章 京都 ─ “目玉の松っちゃん”から時代劇全盛期へ
     第3章 多摩川 ─ リアリズムを求めて
     第4章 復活 ─ “アクション”と“青春”の日々
     第5章 模索 ─ ロマンポルノの時代
     第6章 現代の日活

    1~2章では日活の誕生から戦前の時代劇全盛期まで。ポスターや写真、チラシなどとともに、屏風状の芳名帳も展示。大河内傳次郎、片岡千恵蔵らの名前が記されています。


    1920年代末から30年代初めにかけての日活映画人芳名帳

    戦前の日活の資料として、第2章では映画雑誌も紹介されています。

    当時の映画雑誌は映画会社ごとに「スタジオ雑誌」と呼ばれる雑誌が発行されていました。日活をテーマにした雑誌は「向島」「日活画報」「大日活」など大量に作られており、その人気の一端を垣間見ることができます。


    種類の抱負さで群を抜いていた日活のスタジオ雑誌

    戦後、日活は新社長に堀久作を迎え、大きく飛躍します。石原裕次郎、小林旭らの若手スターを発掘、鈴木清順をはじめ先鋭的な監督も数多く輩出しました。会場中ほどには、当時のスター「日活ダイヤモンドライン」のパネル。日活が最も華やかだった時代です。

    ただ、その栄華は長くは続きませんでした。映画産業全体の斜陽化を受け、日活の業績は急激に悪化。1971年には、低予算で製作できる成人映画路線「日活ロマンポルノ」に舵を切りました。この時代を紹介する第5章は「ピンクのカーテン」の向こう側。もちろん美保純さん主演の同名映画へのオマージュです。


    「ピンクのカーテン」の向こう側の第5章は、18歳未満立ち入り禁止。国立美術館の企画展では初の試みかもしれません

    最後は現代の日活の紹介。1996年に再建した日活は、今でも話題作を次々に発表。会場最後には2009年の「ヤッターマン」で主演の櫻井翔さんが着用した衣装が展示されています。

    日本の映画の歴史そのものといえる、日活の歴史。お客様の関心も高いようで、いつもの企画展より、かなり出足が好調と聞きました。11月からは2階の大ホールで関連企画の映画上映も予定されています。(取材:2012年8月14日)

    拳銃は俺のパスポート HDリマスター版

    宍戸錠 (出演), 野村孝 (監督)

     
    ¥ 1,398
    会場
    会期
    2012年8月14日(火)~12月23日(日・祝)
    会期終了
    開館時間
    ◆長瀬記念ホール OZU・小ホール
    <開映時間>
    作品によって開映時間が異なります。
    詳細はHP、またはハローダイヤルにお問い合わせ下さい。

    ◆展示室11:00~18:30(入場は18:00まで)
    ◆図書室12:30~18:30(入室は18:00まで)
    ※新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、当面の間、土曜日も閉室としております。
    休館日
    月曜日および9月10日(月)から9月17日(月)、10月29日(月)から11月5日(月)は休館です。
    住所
    東京都中央区京橋3-7-6
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト http://www.momat.go.jp/FC/fc.html
    料金
    一般 200円(100円) / 大学生・シニア 70円(40円) /
    高校生以下及び18歳未満、障害者(付添者は原則1名まで)、
    MOMATパスポートをお持ちの方、キャンパスメンバーズは無料(証明できるものをご提示ください)
    ※( )内は20名以上の団体料金
    ※詳細はホームページをご覧下さい。
    展覧会詳細 日活映画の100年 日本映画の100年 詳細情報
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