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篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN

■時代と空気で反応した「写真力」
【会期終了】 印刷メディアが主戦場だった篠山紀信さんが初めて挑む、美術館の大空間。「写真力」と「空間力」がガチンコで対決する注目の展覧会が、東京オペラシティ アートギャラリーではじまりました。
半世紀に渡って時代の先頭で活躍している篠山紀信さん。美術館での個展は初めてというのは、少し意外にも思えます。

展覧会は「写真の神様が降りてきた時しか撮れない」(篠山さん)という「写真力」を持つ写真がテーマ。GOD/STAR/SPECTACLE/BODY/ACCIDENTSの5セクションによる構成です。

最初のセクションは、照明を落とした黒い壁面の「GOD」です。物故者の巨大プリントは「拝みたくなる」(篠山さん)ほどの迫力。本人もお気に入りだったという大原麗子さんの写真は、実際の遺影にも使われました。


「GOD」

有名人のポートレートが並ぶ「STAR」は、篠山さんの真骨頂。時代を彩ったスターを、その匂いと一緒に切り取ったような写真が並びます。

展覧会ビジュアルで多く使われている山口百恵は、元は雑誌「GORO」のグラビアとして撮影されたものです。70年代の象徴だった彼女は3.4×5.1メートルになって、壁一面で展示。その存在感は圧倒的です。


「STAR」

赤い壁面にヌードが並ぶセクションは「BODY」。篠山さんは活動の初期から造形的なヌード写真を手がけるなど、常にヌードと向き合って歩んできました。

日本のヌード表現を変えた「Water Fruit」の樋口可南子、芸能人写真集の最高部数を叩き出した「Santa Fe」の宮沢りえ…。時代の欲求を「写真力」で返した作品といえるかもしれません。


「BODY」

展覧会の最後は「ACCIDENTS」、東日本大震災の被災者を写した作品群です。

崩れた家の前で、散乱した墓地で、積み上げられた瓦礫が残る路上で。悲劇を強調するような動きは無く淡々とした流れですが、無名の人々の深い意志が滲んできます。


「ACCIDENTS」

「写真力」は写真単体だけでなく、時代や空気に反応して生まれてくるものといえます。そして、常に新しいことを面白がり、時代とともに写真を捉えてきた篠山さんだからこそ、見つけ出せる力なのかもしれません。

熊本市現代美術館から巡回してきた本展は、東京での会期は12月24日(月・休)まで。その後に広島・三次市の奥田元宋・小由女美術館(2013年3月1日~4月14日)、新潟県立万代島美術館(2013年12月14日~2014年3月2日)と巡回します。(取材:2012年10月2日)


記者発表での篠山紀信さん

THE PEOPLE by KISHIN

篠山紀信 (著)

パイインターナショナル
¥ 2,625

 
会場東京オペラシティ アートギャラリー
開催期間2012年10月3日(水)~12月24日(月・祝)
所在地 東京都新宿区西新宿3-20-2
TEL : 03-5353-0756
HP : http://www.operacity.jp/ag/exh145/
展覧会詳細へ 篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN 詳細情報
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