国立歴史民俗博物館の総合展示第1展示室「先史・古代」が、リニューアルオープンしました。1983年の開館以来、初めての大規模な展示替えです。
研究機関である歴博が、文理融合研究の結果、時代観を大きく変えました。
炭素14年代測定によって、これまでとは異なる年代観を反映した先史時代の展示になっています。
時代観はどう変化した?
大きく変わったことは・・・・
・旧石器時代の展示が独立したテーマとして新設されたこと。
・縄文時代が約3500年早く始まっていたこと。
・弥生時代が約500年早く始まっていたこと。
とくに下の2つは、炭素14年代測定という科学的な方法で明らかになりました。
それによりこれまでの縄文時代、弥生時代の開始年代が大きく変わりました。
歴博では時代のはじまりで分けずに、時代と時代の移行期にスポットをあてたテーマ設定をしています。
生活・環境・国際交流を基本テーマ
縄文時代が約3500年早く始まったことがわかり、従来の縄文時代の年代観は変わりました。
テーマⅠ「最終氷期に生きた人々」には、旧石器時代の後期と、縄文時代の草創期が含まれます。
旧石器時代から縄文時代へと移る境界に着目し、6つの大テーマにイメージカラーをつけて展示してあります。
時代が移行する時の、生活、環境、国際交流の変化に着目しています。
そして、第1展示室の呼称は「原始・古代」から「先史・古代」に変更されました。
「原始」には、未開・野蛮という意味があり、歴史用語ではありません。
「先史」は、文献のない時代を指し、歴史ではないというイメージがありましたが、今回は、科学的手法で暦をつけた弥生時代以前を「先史」ととらえています。
教科書と違う戸惑い
子どもたちは、学校で習う歴史の区分と歴博の展示テーマが違うため戸惑うと言います。
また大人は新しく時代観が変わったと言われても、変わる前を理解していないとその意味がわかりません。
しかし、時代区分など、理解していなくても十分、楽しめる工夫があります。
展示の楽しみ方
一般的な展示は、手前の石だけが並べられます。
この石器がどのように使われるのかは、イマジネーションに頼るしかありませんでした。
今回の展示は、当時の人びとのくらしをビジュアルに示すことに重きが置かれているので、等身大やミニチュアの人形の模型が、道具の使い方、生活の様子を伝えてくれます。
さまざまな手法で視覚化され、体感できます。
時代区分がわからなくても、昔はこんな生活をしていたんだと、ジオラマの中に入り込んで共有ができます。モノの展示でなくコトの展示がされています。
最先端の高い専門性ある展示
歴博36年、研究の集大成。専門家には新知見や調査なども提供されます。
ところで、教科書とは違うと感想を持った子どもたちにどう説明すればいいでしょうか?
最先端の学問の成果が教科書に載るまでには、長い時間がかかります。
歴博の展示には最先端の学問成果が反映されています。
歴博の展示を見て、最先端の学問の世界にひたってみてはいかがでしょうか?
会場 | 国立歴史民俗博物館 |
休館日 | 月曜日(祝日の場合その翌日)、年末年始 ※4/1、8/13は臨時開館。ゴールデンウィーク中(4/7~5/6)は毎日開館。 |
開館時間 | 3~9月は、9:30~17:00、10~2月は、~16:30(いずれも、入館は閉館30分前まで) |
所在地 | 千葉県佐倉市城内町117番地 |
03-5777-8600(ハローダイヤル) |
HP : https://www.rekihaku.ac.jp |
料金 | 一般 600円、大学生 250円、高校生以下は無料 |
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