読者
    レポート
    国立歴史民俗博物館「総合展示 第1展示室「先史・古代」リニューアル」

    国立歴史民俗博物館「総合展示 第1展示室「先史・古代」リニューアル」

    文 [エリアレポーター]コロコロ / 2019年3月14日



    国立歴史民俗博物館の総合展示第1展示室「先史・古代」が、リニューアルオープンしました。1983年の開館以来、初めての大規模な展示替えです。

    研究機関である歴博が、文理融合研究の結果、時代観を大きく変えました。
    炭素14年代測定によって、これまでとは異なる年代観を反映した先史時代の展示になっています。

    時代観はどう変化した?

    大きく変わったことは・・・・
    ・旧石器時代の展示が独立したテーマとして新設されたこと。
    ・縄文時代が約3500年早く始まっていたこと。
    ・弥生時代が約500年早く始まっていたこと。
    とくに下の2つは、炭素14年代測定という科学的な方法で明らかになりました。



    それによりこれまでの縄文時代、弥生時代の開始年代が大きく変わりました。
    歴博では時代のはじまりで分けずに、時代と時代の移行期にスポットをあてたテーマ設定をしています。

    生活・環境・国際交流を基本テーマ




    縄文時代が約3500年早く始まったことがわかり、従来の縄文時代の年代観は変わりました。
    テーマⅠ「最終氷期に生きた人々」には、旧石器時代の後期と、縄文時代の草創期が含まれます。
    旧石器時代から縄文時代へと移る境界に着目し、6つの大テーマにイメージカラーをつけて展示してあります。



    時代が移行する時の、生活、環境、国際交流の変化に着目しています。
    そして、第1展示室の呼称は「原始・古代」から「先史・古代」に変更されました。
    「原始」には、未開・野蛮という意味があり、歴史用語ではありません。
    「先史」は、文献のない時代を指し、歴史ではないというイメージがありましたが、今回は、科学的手法で暦をつけた弥生時代以前を「先史」ととらえています。

    教科書と違う戸惑い

    子どもたちは、学校で習う歴史の区分と歴博の展示テーマが違うため戸惑うと言います。
    また大人は新しく時代観が変わったと言われても、変わる前を理解していないとその意味がわかりません。
    しかし、時代区分など、理解していなくても十分、楽しめる工夫があります。

    展示の楽しみ方



    一般的な展示は、手前の石だけが並べられます。
    この石器がどのように使われるのかは、イマジネーションに頼るしかありませんでした。
    今回の展示は、当時の人びとのくらしをビジュアルに示すことに重きが置かれているので、等身大やミニチュアの人形の模型が、道具の使い方、生活の様子を伝えてくれます。



    さまざまな手法で視覚化され、体感できます。
    時代区分がわからなくても、昔はこんな生活をしていたんだと、ジオラマの中に入り込んで共有ができます。モノの展示でなくコトの展示がされています。

    最先端の高い専門性ある展示



    歴博36年、研究の集大成。専門家には新知見や調査なども提供されます。
    ところで、教科書とは違うと感想を持った子どもたちにどう説明すればいいでしょうか?
    最先端の学問の成果が教科書に載るまでには、長い時間がかかります。
    歴博の展示には最先端の学問成果が反映されています。
    歴博の展示を見て、最先端の学問の世界にひたってみてはいかがでしょうか?


    会場国立歴史民俗博物館
    休館日月曜日(祝日の場合その翌日)、年末年始 ※4/1、8/13は臨時開館。ゴールデンウィーク中(4/7~5/6)は毎日開館。
    開館時間3~9月は、9:30~17:00、10~2月は、~16:30(いずれも、入館は閉館30分前まで)
    所在地千葉県佐倉市城内町117番地
    03-5777-8600(ハローダイヤル)
    HP : https://www.rekihaku.ac.jp
    料金一般 600円、大学生 250円、高校生以下は無料
    エリアレポーターのご紹介
    コロコロ コロコロ
    美術鑑賞から、いろいろなモノの見方を発見させられます。作品から広がる世界や着眼点を提示できたらと思っています。理系の目で鑑賞したら、そんな見方も提示できたらと思っています。こちらでネタを集めています。コロコロのアート見て歩記&調べ歩記録

    エリアレポーター募集中!
    あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?
    エリアレポーター募集中!
    あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?
    おすすめレポート
    学芸員募集
    肥後の里山ギャラリーの企画・運営担当者(学芸員) [肥後銀行本店 肥後の里山ギャラリー]
    熊本県
    【文化施設】荻窪三庭園・東山旧岸邸スタッフ募集! [荻窪三庭園 または 東山旧岸邸]
    東京都
    【公益財団法人 ポーラ伝統文化振興財団】学芸員募集! [ポーラ伝統文化振興財団(品川区西五反田)141-0031 東京都品川区西五反田2-2-10 ポーラ五反田第二ビル]
    東京都
    足立区立郷土博物館 事務補助員の募集(会計年度任用職員) [足立区立郷土博物館]
    東京都
    アサヒグループ大山崎山荘美術館 学芸員募集 [アサヒグループ大山崎山荘美術館]
    京都府
    展覧会ランキング
    1
    東京都美術館 | 東京都
    ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢
    開催中[あと100日]
    2025年9月12日(金)〜12月21日(日)
    2
    東京国立近代美術館 | 東京都
    ミュージアムで謎解きを ミュージアムラリー2025
    開催中[あと16日]
    2025年8月6日(水)〜9月28日(日)
    3
    国立科学博物館 | 東京都
    特別展「氷河期展 〜人類が見た4万年前の世界〜」
    開催中[あと31日]
    2025年7月12日(土)〜10月13日(月)
    4
    国立西洋美術館 | 東京都
    オルセー美術館所蔵 印象派ー室内をめぐる物語
    開催まであと43日
    2025年10月25日(土)〜2026年2月15日(日)
    5
    国立新美術館 | 東京都
    ルーヴル美術館展 ルネサンス
    開催まであと362日
    2026年9月9日(水)〜12月13日(日)