スポット展「北河内で初の横穴墓発見―アゼクラ遺跡―」

　交野台地西辺の中位段丘上に位置し、古代から中世の集落跡として知られています。これまで横穴墓の存在は知られていませんでしたが、今回の調査では甲斐田川が作り出した谷の斜面上部で、古墳時代終末期（７世紀）の横穴墓を３基発見しました。 　横穴墓１と２には幅１ｍ程の墓道が羨道へと続き、奥行き2.6m、幅1.5m程の玄室が造られていました。横穴墓１の玄室東壁沿いからは須恵器の高坏や壺のほか、金環（耳環）や鉄刀が出土しました。横穴墓２では、玄室床面から鉄釘が出土しており、木棺での葬送と考えられます。副葬された土器は横穴墓１と対照的に土師器の高坏と壺のみでした。 　この遺跡に近い京都府八幡市南部から京田辺市北部の丘陵には、古墳時代終末期から古代初め頃の大規模な横穴墓群が発見されています。今回の調査により、その分布範囲が北河内まで広がることが明らかとなり、横穴墓の性格などについて再考を促すものと考えられます。 【展示品】 ・須恵器／土師器／鉄刀／鉄釘／耳環