夏はアートで涼しくなる。猛暑日こそ、美術館で感性をクールダウン。ゴッホやモネの大型展から恐竜の進化に迫る展覧会まで、この夏おすすめの全国の展覧会を紹介します。東京版はこちら。
受け継がれたゴッホの手紙
「大阪・関西万博」で盛り上がる関西圏では、話題の展覧会が目白押し。大阪市立美術館ではフィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)の画業を支え、作品を受け継いできた家族に焦点を当てた展覧会を開催。「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」は、東京、名古屋にも巡回します。

大阪市立美術館「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」
アートの見方を再発見
サンディエゴ美術館から、ジョルジョーネやサンチェス・コターンらの傑作が日本に初来日。ルネサンスから19世紀末までの西洋美術の歴史をたどる「どこ見る?どう見る?西洋絵画! ルネサンスから印象派まで サンディエゴ美術館 feat.国立西洋美術館」は、京都市京セラ美術館にて開催。

京都市京セラ美術館「どこ見る?どう見る?西洋絵画! ルネサンスから印象派まで サンディエゴ美術館 feat.国立西洋美術館」
巨大恐竜、ここに集結
福井県立恐竜博物館の開館25周年記念特別展「獣脚類2025~「フクイ」から探る恐竜の進化~」では、福井発掘の化石を中心に獣脚類の進化を探ります。見どころは、全長14mのスピノサウルス復元骨格と中国で新種として発表された「アジアティラヌス」の実物化石です。

福井県立恐竜博物館「獣脚類2025~「フクイ」から探る恐竜の進化~」
未来の国宝探し
日本美術には、まだ世に知られていない作家や作品が数多く埋もれています。伊藤若冲も、かつては「知られざる鉱脈」でした。大阪中之島美術館で開催される「日本美術の鉱脈展」では、縄文から近現代までの隠れた名品に光をあてて、日本美術史の再発見を目指します。

大阪中之島美術館「日本美術の鉱脈展」
沖縄の伝統の息吹「芭蕉布」
国立工芸館では、沖縄・喜如嘉で伝承される芭蕉布の技術と歴史的名品を紹介します。芭蕉布の技術復興に尽力した人間国宝、故・平良敏子氏の作品な芭蕉布の歴史的名品も展示する「移転開館5周年記念 重要無形文化財指定50周年記念 喜如嘉の芭蕉布展」は7月11日から。

平良敏子《芭蕉布着物 クヮイヤークヮサー番匠》1970年 国立工芸館蔵 撮影:斎城卓
モネ《睡蓮》の世界へ誘う
豊田市美術館では、晩年のクロード・モネの作品に焦点を当てた「モネ-睡蓮のとき」を開催。パリのマルモッタン・モネ美術館から約50点が来日。睡蓮の池を描いた名作を通じて、モネの芸術の深い世界を体感できます。

豊田市美術館「モネ-睡蓮のとき」
トップランナー竹内栖鳳の作品世界
愛知県美術館では、「近代日本画のトップランナー 竹内栖鳳」を開催。新しい絵画を模索し、伝統の継承しながら新たな日本画への挑戦もおこなった栖鳳の代表作《絵になる最初》はじめ、多様な表現をご紹介します。
旅するルイ・ヴィトン
大阪中之島美術館では7月からは、ルイ・ヴィトン創業170周年と2025年大阪・関西万博を記念したルイ・ヴィトン「ビジョナリー・ジャーニー」を開催。旅と創造をテーマに、OMAの重松象平が手がけた空間デザインの中で、匠の技と革新を体感できる没入型展示です。
小松美羽が紡ぐ祈りのかたち
札幌芸術の森では、神獣をテーマに祈りと霊性を探求する現代アーティスト小松美羽の約70点の作品を展示します。銅版画から大型絵画、立体まで多様な表現で生まれた作品。祈りの力を感じさせる展覧会です。「小松美羽 祈り 宿る」は7月5日から。
日比野芸術を深掘り
1980年代のダンボール作品で一躍時代の寵児となった日比野克彦。アートプロジェクトや美術館館長や大学長としての社会的実践まで幅広い活動を行っている日比野の芸術を深掘りする「日比野克彦 ひとり橋の上に立ってから、だれかと舟で繰り出すまで」は水戸芸術館にて開催。