６つの点から広がる世界 点字にふれる

缶ビールの飲み口にある点字にお気づきですか？ 何と読むのでしょう？ 答えは「おさけ」です。目にふれていても分からない…多くの人にとって、点字は近くて遠い文字なのかもしれません。しかし、この小さな６つの点は、使う人の暮らしを支え、ときに本の世界や、家の外へとみちびく大切な道しるべとなります。 本展は2021年「義足でこえる心の壁」展につづく「社会のダイバーシティを考える」シリーズ第２弾として、点字を出発点に、さまざまな見え方へ近づこうとする試みです。視覚障害や点字の基本をはじめ、日本点字図書館や、全盲でありながら「点字つきさわる絵本」を広めた岩田美津子の活動を、インタビューやさわれる資料などで紹介します。また光島貴之、白鳥建二の二人の全盲のアーティストが、深川のまちを歩いた記録を、それぞれの方法で作品にしました。異なる目線を持った人々が関係しあい、支えあう社会への一歩として、点字を「読む」ことは難しくても、まずは「ふれて」みることから始めませんか。