台湾の女性日本画家 生誕百年記念「陳進展」

    渋谷区立松濤美術館 | 東京都

     1895年、日本の植民地支配下に置かれて以後、今日まで、台湾は、政治的に中国大陸と異なった道を歩んだばかりでなく、文化・芸術の面でも独自の展開を遂げてきました。民主化・自由化が進む現在の台湾において、台湾人としての共通認識を持つ傾向が強まる中、美術の分野においても、「中国美術」ではなく「台湾美術」という考えが形成され、日本統治時代の美術に対する研究が進んでいます。陳進もまた、日本統治時代に活躍をはじめた画家の一人であり、二十世紀の台湾美術の発展に大きな足跡を残しました。  陳進は1907年、台湾の裕福な家庭に生まれ、台北第三高等女学校で日本画家郷原古統の教えを受けました。ついで、東京女子美術学校(現・女子美大学)に留学。卒業後は、鏑木清方の門に入り、清方、伊藤深水などに学びました。在学中に第一回台湾美術展に入選したのをはじめとし、1934年の第15回帝展に台湾女性として初入選、その後も帝展、文展での入選を重ねるなどして活躍しました。戦後の台湾では、中国の伝統的絵画である国画と東洋画(=日本画=膠彩画)との対立の中で制作に悩むことになります。しかし、結婚、そして母親となって以後は、家庭生活を主題に制作をつづけ、1998年に台北に歿するまで台湾女性画家の頂点として活躍しました。  「合奏」や「悠間」に代表される前半生の作品は、伝統的な岩彩と膠を用いた日本画(膠彩画)技法により台湾の地方色豊かな女性像を描き、結婚後の後半生は、「みどりご(嬰児)」や「花嫁(新娘)」のように妻、母親、家庭人として日々の生活を慈愛の眼差しをもって描きつづけました。  本展では、生誕百年を記念し、陳進の代表作約80点及び素描などを陳列します。本展を通して、その優れた画業を回顧するとともに、二十世紀において独自の道を切り開いてきた台湾絵画についても考察したく考えます。
    会期
    2006年4月5日(水)〜5月14日(日)
    会期終了
    開館時間
    特別展期間中:午前10時~午後6時(金曜のみ午後8時まで)
    公募展・小中学生絵画展・サロン展期間中:午前9時~午後5時
    最終入館はいずれも閉館30分前までです。
    料金
    一般300円(240円)、小中学生100円(80円) ※( )内は10名以上の団体料金。 ※60歳以上の方及び障害者の方は無料。 ※毎週土曜日は小中学生無料。
    休館日 4月10日(月)、17日(月)、24日(月)、5月1日(月)、8日(月)
    会場
    渋谷区立松濤美術館
    住所
    〒150-0046 東京都渋谷区松濤2-14-14
    03-3465-9421
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