ワッハ上方(正式名称:大阪府立上方演芸資料館)にとってはじめての館外展示です。開館10周年を記念して、5万点の収蔵資料の中から、大正時代のスター・初代桂春団治の愛用の品々や、若き徳川夢声と二代目春団治が競演した際のプログラム(1935年)、人間国宝・桂米朝師匠の初独演会パンフレット(1966年)など、上方落語に関する選りすぐりの貴重資料(約40点)を一挙にご紹介いたします。
とりわけ初代春団治ゆかりの羽織と懐中時計は、現在活躍中の噺家さんから寄贈していただいた趣の深い品々です。羽織は平成13年3月に柳家小三治師匠から寄贈していただきました。小三治師匠は新内語りの岡本文弥師匠から、文弥師匠は春団治から譲り受けられたそうです。手のひらほどの大きな懐中時計は、春団治の茶目っ気を感じさせるユニークな資料ですが、初代から二代目へ、そして露の五郎兵衛師匠へと春団治一門に代々受け継がれた大切な品です。
それ以外にも桂三枝師匠出演のうめだ花月劇場ポスターや六代目松鶴の前座時代のポスターなどなど、この機会にぜひご覧いただき、上方落語の名人たちの面影にふれてください。