木村芳文写真展　白山 HAKUSAN

　日本には数多の名山名峰があります。その中でも富士山、立山に並ぶ日本三名山のひとつに数えられる白山は、別名「花の白山」と呼ばれ、高山植物が咲き誇る美しい自然に恵まれた名峰として知られています。鮮やかな新緑芽吹くブナ林の春模様、一面に咲き誇る夏のハクサンコザクラの群落、燃えるようにウラジロナナカマドが紅葉する秋、そして純白に包まれた白山の雪原の静謐さ。白山は四季を通じて様々な表情を見せ、自然の持つ色彩の素晴らしさを私たちに教えてくれます。 　香川県に生まれた木村芳文は、そんな白山の持つ魅力に惹かれその美しさを撮り続けてきました。やがて、白山を通じ自然の雄大さだけでなく、長い歴史と人々の営み、白山を包む自然体系そのものに強く惹きつけられた彼は、その環境全てを“白山自然態系”と位置付け、自らその一部となるかのように白山の近くへ移り住み、更に精力的に撮影を続けています。 　今回の写真展では、その彼がこれまで撮り続けてきた集大成ともいえる内容を約180点の写真作品で一堂に紹介します。白山の持つ雄大な自然と四季の美しさ、そしてその一帯の自然が抱く大きな世界観とそこに抱かれる人々の営み－。白山自然態系が映し出す、悠久なる輪廻の世界を是非感じ取ってみてください。