大正ロマン昭和モダン展

　大正から昭和初期にかけて、少年少女雑誌を中心に挿絵画家たちが活躍した絢爛なメディアアートが現れます。大正ロマンという時代の哀調を背景に、夢二や華宵が描く哀愁を帯びた大きな瞳の細身の女性像は、大衆に大きな支持を得て、独自の出版アートを生みました。雑誌の表紙や挿絵に描かれた美少年や美少女たちは甘美な感傷とモダンな華麗さを持ち、当時の子供たちを始め、暗い世情にあえぐ大人たちにも夢を与えてくれました。 　この展覧会では、時代の寵児として一世を風靡した竹久夢二と高畠華宵を中心に、蕗谷虹児、中原淳一、北野恒富、山村耕花など大正ロマン・昭和モダンを彩る作家の、日本画、版画、挿絵原画から絵葉書や楽譜、装丁本などにより、大衆アートの時代を振り返ります。