加山又造展

    国立新美術館 | 東京都

     加山又造は1927(昭和2)年、京都市に生まれました。初め、京都市立美術工芸学校絵画科に学んだ後、上京して東京美術学校日本画科に入学、1949(昭和24)年に卒業しました。そして戦後まもなく創立された創造美術に、西洋絵画の影響を強く窺わせる動物画を発表して注目されました。  戦後になって日本画滅亡論が声高に唱えられ、日本画家は新しい日本画のあり方をもとめて模索を続け、新たに流入してきた欧米の美術思潮へ接近しました。それは明治以降の近代日本画を基盤としつつ、戦後の社会に適応させていくための一つの方法であったようにみえます。  画壇に登場した頃の加山の制作も、同じ方向性を示していたのは確かです。しかし加山の場合、一度、近代日本画の流れの外に出ることで、自覚的に日本絵画それ自体の本質を問い、それを現代という時代に表現したところに大きな違いがありました。そのことは、初期の一連の動物画においてさえ、その強烈な様式性が伝統的な日本画の特質に深く根ざしていることに明らかです。戦後に出発した日本画家としての加山の姿を、そこに見ることができます。  そうした時、室町時代の装飾的な屏風や琳派など日本の古典に繋がる作品、浮世絵の線描表現の美しさに触発された裸婦像、日本や中国の水墨に学んだ作品など、描かれた作品は単なる模倣ではなく、日本の美術が本来もっている装飾性に深く倣いながら、それを今日的な表現に解釈し直したものであることが理解できます。  加山又造が2004年に亡くなってからまもなく5年の歳月がたちますが、その作品は今も評価されています。ほぼ60年にわたるその革新的な画業は、やや行き詰まりの感のある現代の日本画の世界にあってなお示唆的です。この展覧会は絵画作品だけでなく、加山が絵付けをした陶器、着物、デザインによる装飾品など工芸品を含む約100点で構成されます。全体を6章に分けてその芸術の歩みを辿るとともに、戦後の日本画の展開において加山が果たした役割と、その意味をあらためて探ろうとする試みです。
    会期
    2009年1月21日(水)〜3月2日(月)
    会期終了
    開館時間
    <企画展>
    10:00~18:00
    ※当面の間、夜間開館は行いません。
    ※入場は閉館の30分前まで
    <公募展>
    10:00~18:00
    ※美術団体によって、異なる場合があります。
    ※入場は閉館の30分前まで
    料金
    一般:1300円(1100円/1000円)、大学生:900円(700円/600円)、高校生:700円(500円/400円) ※前売券は2008年11月17日(月)より2009年1月20日(火)まで発売 ※1月25日(日)、31日(土)、2月1日(日)は高校生特別無料招待日
    休館日 毎週火曜日
    公式サイト http://www.kayamaten.jp/
    会場
    国立新美術館
    住所
    〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
    050-5541-8600(ハローダイヤル)
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