JCIIフォトサロンでは、来る2011年6月28日(火)~7月31日(日)まで、タカオカ邦彦作品展「オンシアター 自由劇場」を開催いたします。タカオカ氏は、1978年から写真家 林忠彦氏に師事し、仕事・作品に対して妥協しない厳しさを学んだと言います。人物写真家として、作家、文化人、また長年の日本農家への取材など、「顔」をテーマに雑誌等で活躍しつづけています。〈オンシアター自由劇場〉とは、1966年に結成された演劇グループで、串田和美、斎藤憐、佐藤信、吉田日出子ら総勢14名を創立メンバーとして発足されました。『上海バンスキング』 『黄昏のボードビル』 『もっと泣いてよフラッパー』 『おいでゴンドラ』 等、数々のヒット作で広く知られた劇団でした。特に『上海バンスキング』は第14回紀伊國屋演劇賞(団体賞)や作者の斎藤憐が岸田戯曲賞を受賞したりと圧倒的な支持を得た作品でした。当時の劇評家からも絶賛され、定期的に再演と、小劇場演劇では記録的なロングラン公演となり、二度に渡って映画化もされたほどの熱狂ぶりでした。今回は、「オンシアター自由劇場」と題して、劇団が積極的に活動していた時代のうち1979年から85年にかけ、タカオカ氏が稽古のある日は毎日通い続けたという、若き日々がつまった未発表の作品群をご覧いただきます。(オンシアター自由劇場〉の上記舞台のゲネプロや舞台裏、稽古風景などの写真から、タカオカ氏も劇団の人達とひとつの作品を作り込み、のめりこんでいたということが見てとれます。現在も活躍する、串田和美、吉田日出子、笹野高史、余貴美子、小日向文世などが若かりし頃、踊り、歌い、作品を生みだすことの悩みや喜びを味わい、舞台を駆け回る姿は、30年経った今でも色褪せることなく、何かに打ち込むことの素晴らしさを物語っています。タカオカ氏が、広範な観客の熱い支持を得た作品から溢れ出る情熱を受け止め、一層魅力的に情感豊かにつくりあげた世界観は、写真を見る人を再びその舞台へと引き込んでいくのではないでしょうか。