
京都国立近代美術館「没後100年 富岡鉄斎」会場
明治・大正期に活躍し、「最後の文人画家」と称えられている富岡鉄斎(1836-1924)の没後100年を記念した展覧会が、京都で始まる。
鉄斎は幕末に京都の商家で生誕。近世都市の商人道徳を説いた石門心学を中心に、儒学・陽明学、国学・神道、仏教などさまざまな学問を学ぶと同時に、南宗画、やまと絵などの絵画も独学し、画業を深めていった。
良い絵を描くためには「万巻の書を読み、万里の路を行く」ことが必要であるという先人の教えに則り、北海道から鹿児島まで全国を旅して各地の勝景を探求。
理想の山水を表出し、人間の理想を説いた鉄斎の絵画は、土田麦僊や小野竹喬、梅原龍三郎など画壇の巨匠たちから敬われ、京・大阪の町の人々にも広く親しまれた。
展覧会では、六曲屏風一双の大作《富士山図》、重要文化財《阿倍仲麻呂明州望月図・円通大師呉門隠栖図》など、鉄斎の代表作を多数展示。
これまで一般に公開されなかった作品や、画集のモノクロ写真のみで知られていた作品など、貴重な作品も紹介される。
「没後100年 富岡鉄斎」は、京都国立近代美術館で2024年4月2日(火)~5月26日(日)に開催。観覧料は一般 1,200円など。
京都展の後、富山県水墨美術館(7/12〜9/4)、碧南市藤井達吉現代美術館(10/5〜11/24)に巡回する。

京都国立近代美術館「没後100年 富岡鉄斎」会場

京都国立近代美術館「没後100年 富岡鉄斎」会場

京都国立近代美術館「没後100年 富岡鉄斎」会場