企画展　川内倫子展　Cui　Cui　［キュイ　キュイ］

　現実にあるものを通して言葉では表せないものを表現し、生と死、その循環と境界にあるものを描く写真家・内川倫子は、デビューしてまもなく日本国内はもとより海外からの高い評価と要請に応えてその活躍の場を自然と広げてきました。 　写真という2次元の媒体でありながら視覚以外の視覚をも刺激する川内の作品は、作品は、日常にひそむ、無限大に広がる世界の不思議さを気づかせてくれます。 　川内倫子の国内美術館での初個展となる本展作品は、これまでカルティエ現代美術館財団（個展／パリ）・八セルブラッド写真センター（個展／イエーテボリ）、東京都現代美術館（グループ展）において、スライドショーとして展示されてきました。 　タイトルの「キュイ　キュイ」は、フランス語のスズメの鳴き声をさします。日常に起こる出来事はわたしたちの限りある生のなかで、小鳥のように、ささやかにそのさえずりを止めることなく響かせているかのようです。