土門拳の昭和

日本写真史の巨人、土門拳は、昭和という時代に克明に追った傑作郡で知られています。 土門拳は、1909（明治42）年に山形県酒田市に生まれました。1935（昭和10）年に名取洋之助主宰の「日本工房」に入社し報道写真家として活躍すると同時に、日本の社会と文化をテーマとするスタイルを築いていきます。第二次世界大戦終結後は、戦後日本の現実に正面から取り組む写真を目指し、土門を中心とするリアリズム写真を大きな潮流となりました。その後、1979（昭和54）年に病で倒れるまで45年にわたってドキュメント、人物、古美術、建築、風景などあらゆる被写体に迫り続けました。 本展覧会は写真家、土門拳の昭和のあゆみを紹介するものです。昭和を生きる人々を活写した作品郡や、日本の古き美を伝える《古寺巡礼》など、今も忘れることのできない不朽の名作をとおして、土門拳の全制作を一望します。