美人画ラプソディ―近代の女性表現 ―妖しく・愛しく・美しく

2020年春、海の見える杜美術館では、女性を題材とした日本画の展覧会を開催いたします。 明治も後半になると、多くの画家によって女性像が描かれるようになります。いわゆる「美人画」といわれる、女性のうつくさしとそれを彩る様々な装いや風俗を描いた絵画が上村松園や北野恒富らによって描かれました。また、明治末には、日々の暮らしの何気ないひとこまや、人生の局面における喜びや悲しみなど、女性の「生」にクローズアップする作品も制作されるようになります。そこには、社会主義思想の高まりに弱まる弱者への共感や関心、あるいは文部省美術展覧会などの大小の展覧会において画家の個性が問われる場が増えたことなど、様々な要素が絡んでいます。 本展では、明治から昭和初期にかけての作品を通じ、美人画という近代の絵画ジャンルの多様な諸相を紹介いたします。