
江戸城の大奥に暮らした女性たちの実像に迫る展覧会が東京で開催されることになり、記者発表が行われた。
将軍の妻である御台所や側室、御殿女中たちの栄枯盛衰の歴史を、衣装や道具など多彩な資料を通して紹介するもの。
厳格な制度の中で将軍の世継ぎを生むという重責を担いながらも、閉ざされた世界の中でさまざまな感情を抱きながら生きた女性たちの姿を浮かび上がらせる。
大奥で演じられた歌舞伎の衣装が初めて一挙公開されるほか、繊細な和刺繡がほどこされた武家女性のきものや、重要文化財である奈良・興福院の刺繡掛袱紗全31枚の公開、『千代田の大奥』全40場面の実物展示などがみどころ。
また、絵島や瀧山といった大奥のヒロインたちに関するゆかりの品々も紹介される。
展覧会について、東京国立博物館 副館長の浅見龍介氏は「フィクションで描かれてきた大奥ではなく、最新の研究成果をもとにその実像に迫る展覧会」と説明。
同 学芸研究部調査研究課長の小山弓弦葉氏は「豪華絢爛な歌舞伎衣装や、歴史的女性たちの権力と美意識が息づく逸品の数々をお楽しみいたたければ」と語った。
展覧会の音声ガイドナビゲーターは、モデルの冨永愛が務める。
特別展「江戸☆大奥」は東京国立博物館 平成館で、2025年7月19日(土)〜9月21日(日)に開催。観覧料は一般(当日券)が2,100円など。

特別展「江戸☆大奥」 報道発表会より浅見龍介(東京国立博物館副館長)

小山弓弦葉(東京国立博物館学芸研究部調査研究課長)