昭和館は、戦中・戦後に国民が経験した労苦を後世代に伝えるため、昭和10年頃から昭和30年代までの歴史的資料を収集、保存、展示する施設です。
当館は平成13年(2001)から全国各地で巡回特別企画展を実施してきました。戦後80年を迎えるにあたり、広島県広島市において大和ミュージアムと合同して、企画展を開催する運びとなりました。
本企画展において、昭和館は、広島県呉市を舞台とした漫画『この世界の片隅に』に登場する人物や風景、当時のくらしに関わる実物資料を使った再現展示を試みます。原作者のこうの史代さんが漫画を描く際に参考にした実物資料や「残飯雑炊」の復元品など、作品の中に登場するアイテムが多数展示されます。漫画の世界観を立体的に感じていただければ幸いです。
大和ミュージアムは、明治以降の日本の近代化の歴史そのものである「呉の歴史」と、その近代化の礎となった造船、製鋼を始めとした各種の「科学技術」を紹介する施設です。大和ミュージアムは今年で開館20周年を迎えますが、大規模リニューアルのために現在は休館しています。そのため、ご覧いただけない常設展示室の資料や初公開資料などを展示します。
さきの大戦終結から80年という節目の年を迎え、戦争展示を担う2つの博物館がそれぞれの切り口で昭和の時代を展示・紹介します。