今期の特集展示は、西方極楽浄土の教主である阿弥陀如来に注目します。阿弥陀如来は、極楽に往生(行って生まれること)したいと思う者を必ず迎え取るという誓願をたてたことから、他の浄土にもまして人々の信仰を集めました。
まず修理が完成したばかりの阿弥陀如来立像と、浄土真宗独特の本尊である方便法身像を紹介します。また衆生を極楽に導く様子は、阿弥陀三尊来迎図や、十名の聖衆を伴う阿弥陀聖衆来迎図の中に伺われます。当麻曼荼羅と清海曼荼羅は、阿弥陀如来のおわします極楽の光景を描く浄土図です。壮麗な宮殿や珍しい植物が、極楽への憧れをかきたてます。善光寺式阿弥陀三尊像は、疫病に襲われた天竺の人々を救うため現世に現れた姿を写しとっています。
清らかな浄土で教えを説き、苦しむ衆生を導いて、救いをもたらす阿弥陀如来。その限りない慈悲に包まれたいと思います。
また、12月28日(日)まで金色で釈尊を描いた「仏涅槃図」を特別展示いたします。
----------
ガンダーラの仏伝浮彫、鎌倉時代初期の仏師運慶作と推定される大日如来坐像(重要文化財)、醍醐寺ゆかりの不動明王坐像、如意輪観音菩薩坐像、二童子立像を常設展示しています。また、金色で釈尊を描いた「仏涅槃図」を9月13日(土)から12月28日(日)まで特別展示いたします。
《イベント》
会場:半蔵門ミュージアム3階ホール(定員60名)
対象:中学生以上 参加費:無料
※講演会の聴講には事前申込が必要です。詳細は公式サイトをご覧ください。
【講演会】(会場・オンライン併催)
「興福寺北円堂諸像と運慶の時空」
運慶(?~1223)晩年の名作、興福寺北円堂の諸像が東京国立博物館で展示される(9/9~11/30)機会に、日本仏像史上最大の巨匠の集大成ともいうべき造形世界を検証します。
■日時:10月26日(日)14:00~15:30
■講師:山本 勉(当館館長)
■事前申込(期間:会場聴講 8月20日〜9月26日、オンライン聴講 8月20日〜10月25日)
【講演会】(会場・オンライン併催)
「来迎思想の源流と展開」
誰もがいずれはこの世での命を終えます。人びとを捉えた理想的な臨終とは?
阿弥陀仏が浄土に往生しようと願う人の臨終時に迎えに来る、そのことを「来迎」と言いますが、来迎思想の源流と展開を辿ってみたいと思います。これは来迎図の背後にある考え方を探る試みでもあります。
■日時:11月16日(日)14:00~15:30
■講師:入澤 崇氏(学校法人龍谷大学 理事長)
■事前申込(期間:会場聴講 8月20日〜9月26日、オンライン聴講 8月20日〜11月15日)
【特別対談】(会場・オンライン併催)
「初公開 阿弥陀如来立像の修理をめぐって」
このたび修理を終えた阿弥陀如来立像が半蔵門ミュージアムで初公開されるのを記念し、修復を手がけられた仏像彫刻・修復家の宮木菜月氏をお招きして、特別対談を開催いたします。
修理の過程で明らかとなった造像の技法や、仏像に秘められた魅力に迫ります。
■日時:11月29日(土)14:00~15:30
■講師:宮木菜月氏(仏像彫刻・修復家) × 山田美季(当館客員研究員)
※会場聴講は、事前申込不要(当日先着順)
オンライン聴講URLは、公式サイトに掲載いたします
【スライドレクチャー】(会場のみ)
「展示品の見どころ紹介 -仏画について」
特集展示作品の特徴や見どころを、スライドを用いて分かりやすくご説明いたします。
■日時:10月4日(土)14:00~14:40
■講師:吉田 典代(当館上席客員研究員)
※事前申込不要(当日先着順)