渡辺力:リビング・デザインの革新

    東京国立近代美術館 | 東京都

     1930年代、今日一般にバウハウスやル・コルビュジェに典型的な思想と作品が見出されるとされるモダン・デザインに触れた渡辺は、機能に裏打ちされ、かつ日本の生活に立脚したかたちを追求してきました。床座を旨とする日本の住生活に、西洋の生活様式の構成要素であるイスを見事に融合させ、近代日本の生活スタイルを明快に表現した所期の≪ヒモイス≫(1952年)や、伝統的な素材である籐をデザインのプロセスで捉えなおした≪トリイ・スツール≫(1956年)は、日本のモダン・デザインを体現するものとして国内外で高く評価されています。その後も長きにわたり、住宅建築や企業のビル、大規模なホテルで総合的なインテリア・デザインを数多く手がけ、室内空間から発想し、生活を取り巻くものが生き生きと存在する場を時代のなかで生み出すというデザインの姿勢を貫いてきました。  こうした実践に加え、日本インダストリアル・デザイナー協会(JIDA)や、手仕事の発掘と普及を目指したクラフト・センター・ジャパンの設立、そのほか多くの批評活動をとおして、いまだ黎明期にあった日本のデザイン運動に方向を与えその発展に尽力したという点でも、重要な役割を果たしました。  本展は、およそ半世紀におよぶ渡辺力の活動の歩みを代表作で回顧する初めての展覧会です。機能と日常に対する透徹した意識、量産を前提とした合理精神が時に禁欲的なまでのフォルムに宿る渡辺のデザインをとおして、日本のモダン・デザインに胚胎した思想を探ります。
    会期
    2006年1月13日(金)〜3月5日(日)
    会期終了
    開館時間
    10:00~17:00(入館は16:30まで)
    ※金曜・土曜は20:00まで開館(入館は19:30まで)
    料金
    一般420(210)円、大学生130(70)円、高校生70(40)円、小中学生・65歳以上無料 ※( )内は20名以上の団体料金 ※無料観覧日は、第一日曜日(2月5日、3月5日) ※「近代日本の美術」、工芸館「近代工芸の百年」もご覧いただけます。
    会場
    東京国立近代美術館 ギャラリー4(2階)
    住所
    〒102-8322 東京都千代田区北の丸公園3-1
    050-5541-8600(ハローダイヤル)
    050-5541-8600 (ハローダイヤル)
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