第64回七尾港まつり協賛「池田コレクション選抜展」

　池田文夫氏は明治40年（1907）七尾市に生まれます。戦後間もない頃に岐阜県大垣氏で紡績会社を設立し、昭和62年（1987年）に80歳で亡くなるまで中部地方を代表する経済人として活躍しました。一方で氏は美術品に対して高い見識と愛着を持ち、多くの作品を蒐集しました。その対象は日本から西洋まで広範囲の美術にわたり、氏は作品の価値云々を難しく諭ずるよりも、とにかく気に入った作品を眺め、触れる事を何よりの楽しみとしました。 　ご遺族より七尾市に日本美術を中心とした作品が寄附され、「池田コレクション」と名付けられました。内容は岐阜県美濃地方ゆかりの陶磁器などの茶道美術と、近現代の日本画を中心としたもので、当館所蔵品の中核として重要な位置を占めてきました。そして、この度当館開館10周年記念として、池田家ご当主池田輝三郎氏より新たに23点の作品が寄附されました。新しい「池田コレクション」は日本画・彫刻・工芸が中心で、肉筆浮世絵や九谷焼系列など、これまでとは異なったジャンルの作品が多いのが特色です。 　本展では、これらの新寄贈作品を一同に初公開します。池田文夫氏がこよなく愛した数々の名品を通して、「池田コレクション」の新しい世界をぜひご堪能ください。