火星への飛行 イベント

　地球と火星は約2年2ヵ月ごとに、軌道上で並ぶように接近を繰り返します。2003年8月には「世紀の大接近」がありました。そして今年10月30日、火星は再び地球に接近します。 　火星は、太陽系の惑星の中でも、地球のすぐ外側を回っている惑星です。いわば「お隣の星」ですが、まだまだ謎に包まれています。 　19世紀後半、イタリアの天文学者が大接近時の火星を詳しく観測し、火星が複雑な編み目模様に包まれている、と報告し「火星に運河発見！」とあやまったニュースが広がったため、世界中の目が火星に注がれるようになったのです。火星人が攻めてくるというラジオ番組を途中から聞いた人々が、本当のニュースだと信じ込み大さわぎになる、という事件もありました。 　初めて火星探査に成功したのは1964年にアメリカが打ち上げた「マリナー4号」でした。翌年には初めての近接撮影が行われました。 　その後、探査機による調査は新たな発見をつぎつぎにもたらしました。そして、2003年に打ち上げられ、昨年火星に着陸した2つの火星探査機「スピリット」と「オパチュニティ」から送られてくるさまざまな情報によって、しだいに火星の姿が明らかになってきています。